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増田side
手越に上着を着せた
ときに触れたからだが
なんだか熱く感じて
いったん座らせる
もしかして、今日の
おかしな行動は
これが原因?
「手越、具合い悪い?」
「…へ、?」
ぼやっとした反応は
やっぱりどうみても
熱っぽい
「え、なにどうしたの?」
小山とシゲも
こっちに意識を向けて
近づいてくる
「こいつ熱ある。」
「あらぁ、本当だ、」
「ずっと具合い悪かったの?」
みんなでべたべたと
手越をさわって
熱を確認して
それが嫌だったのか
ん〜!ってこどもみたいに
ぐずる手越
「てごちゃん、お家帰ろっか」
「…ごはん」
「元気になったら行こうね」
よく分かってないのか
曖昧に首を傾げて
目に涙をためる
そんなかわいい顔したって
俺らはひかない
「具合いと、症状が
悪くなりやすいんだって、
熱下がったら、たぶんお前の
今の不安なくなるよ」
シゲがそう言って
手越のほっぺをぶちゅ、っと
つかむ
シゲは何かわかってるようだった
「シゲっ、…」
手越が手を伸ばす
シゲはそれを
ちょっと照れながらも受け入れた
「ごめんなさいっ、
シゲのこと、ちょっとだけ、
忘れちゃった、っ、」
「うん、なんとなく
わかってたよ」
「っ俺、思い出せる、?」
その言葉には
シゲは何も答えない
無責任なことを言わないのは
俺らも同じ
それでも安心させるように
優しく、優しく、
熱を帯びたからだを
抱きしめた
きっと、シゲの
全部を忘れたわけでは
ないんだと思う
ただちょっと曖昧になっただけ
それでも手越の不安は
計り知れない
シゲは冷静に
手越を受け入れた
怒らないで、
悲しむ素振りも見せないで。
もし、このシゲの立場が
俺だったら、
どうなってしまったんだろう
想像しただけで
つんとなる目頭
泣くまいとぎゅっと
握りしめた拳は
情けなく震えていた
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キツネさん(プロフ) - nicoさん» いえいえっそんなこと言わないでください(>_<) nicoさんの優しい小説本当に素敵です。大好きなんてありがとうございます!頑張ります!! (2019年11月10日 23時) (レス) id: c6583a4b48 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - キツネさんさん» 読んでくださっていたんですか!?むお恥ずかしいです(T-T)妹さんが……そうですか。だとしたらなおさら私の妄想小説が申し訳ないです(T-T) キツネさんの小説ホントに大好きです! (2019年11月10日 22時) (レス) id: 05c997570a (このIDを非表示/違反報告)
キツネさん(プロフ) - nicoさん» えーっっ、本当ですか! ありがとうございますっ!nicoさんの小説すべて読んでるので(;;) 障害系のお話、すごく丁寧にかかれていて切なくて大好きです。私は妹が障がいをもっているのでより感情移入して感動しています!こちらこそ楽しみにしてますーっ (2019年11月10日 22時) (レス) id: c6583a4b48 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - はじめまして!以前から読ませていただいてました。最近の占ツクすごいですよね。同感です! キツネさんの書く小説大好きです!こわくないよシリーズで私は占ツクにはまりました!これからも楽しみにしています(^-^) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 05c997570a (このIDを非表示/違反報告)
キツネさん(プロフ) - みーぽんさん» みーぽんさんの小説大好きなんですーっ 以前コメントくださってありがとうございました!あとあと見返してみーぽんさんだったのか!!って感動しちゃって(;_;) こちらこそ楽しみにしてますっ (2019年11月10日 19時) (レス) id: c6583a4b48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キツネさん | 作成日時:2018年12月28日 20時