色々詰め込んだ短編集！文スト

赤ずきん ページ45

赤ずきん 中島敦 狼エドガー・アラン・ポオ

おばあちゃん 江戸川乱歩 猟師 与謝野晶子

母 谷崎潤一郎

ナレーション 国木田独歩

※全体的にポオが可哀想

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ーある所に、とても可愛らしい女の子がいました。その子は赤ずきんが似合うためみんなから赤ずきんちゃんと呼ばれていました

照らされる舞台、中央には1人座っている母役の谷崎。

母「赤ずきん、ちょっと来なさい。」

赤「はぁい、お母さん。」

舞台袖から赤ずきん役の敦が出てきた。

母「ちょっとお願いがあるんだけど、この駄菓子を森に住んでいるおばあちゃんの所まで届けてきてくれないかしら。お母さん、今ご飯作ってて手が離せないの。」

ー森の中に住むおばあちゃんは病気にかかっているのでお見舞いに行かなければならないのでした。


赤「ええ、判ったわ。」

ーこうして赤ずきんはおばあちゃんのお見舞い品を届けるべく、家を出たのでした。


母「森の中はオオカミが出ることがあるから気をつけt」

バンッ！と勢いよく閉められる扉。やる気に満ち溢れる新入社員…もとい赤ずきんは大きなフラグと母を残して元気に舞台袖へ出ていった


樋「あれ、今回の舞台比較的安定した配役ですね」

立原「ま、今までの劇が散々だったって言うのもあるけどな。」

in森の中

ー真っ直ぐおばあちゃんの家に向かう赤ずきんを狼は木に隠れて見ていました。

狼「…!!あそこから歩いてきているのは探偵社員の…。手元には駄菓子。推理するに彼は今から乱歩くんの家を訪れるのだろう。乱歩くんには今から新作の推理小説を読んでもらおうとしていたのに、彼が来たら邪魔されるのである！」


ー………狼は先回りして、後からやってきた赤ずきんを食べてしまおうと考えます。そこで、赤ずきんに声をかけて時間稼ぎすることにしました。

開口一番、今までの劇をぶち壊すポオ。突発的に頭痛に襲われる国木田。

狼「その、そっちに花畑がある…!!…痛っ！餌をあげるから離すのである！」

いつもと違って着ぐるみに身を包んでいるからだろうか、カールにかまれるポオ。狼とアライグマの共存だ。むしろアライグマに負けている。

赤「……あら本当にキレイなお花畑。おばあちゃんにあげる花を摘んでいきましょう」

国木田の心中を察した敦はセリフを続けた。

狼「うう…時間稼ぎは出来たようである。我輩はこのまま乱歩くんに会いに…痛っ！」

噛まれた手に跡ができていた。

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