醜い少年の話【ヒロアカ】 (ページ15)

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Story.15 ページ15

結果、5秒台。
まあ強化個性だし、速さ専門という訳でもないし、及第点といったところだろうか。

身体に負担もなく、丁度いい具合に調整出来ているなと改めて実感していた。

____正直制御装置(チョーカー)を付けての訓練は、かなりキツかったからな。

恐怖の特訓を思い出し、思わずため息が漏れた。

雄英高校に入るとは言ったものの、最低限、制御装置を使用してでの個性発動を出来るようにしなければいけなかったのだ。

制御装置には限度が無く、最初の頃は個性発動すら出来なかった。……つまり、リミッターがかなり重い、みたいな感じなのだろうか。

ようやく個性発動を出来るようになった頃は既に三月の終盤だった、と数週間前のことを思い出す。

そんなこと彼らには、クラスメイト達には知る由もないだろう。言うつもりないし。

そもそも友人を作る気が湧かない。

うん、と勝手に自己完結して座り込む。
胡座をかいて、他の奴らのテストをぼけっと眺めながら。

……どうしてヒーローなんぞになりたいのか、と少しの疑問を抱きながら、眺めていた。

．

．

それから握力(125キロ)、立ち幅跳び(298センチ)、反復横跳び(153回)と、黙々と種目をこなして行った。

正直、個性有りだとどれが平均的でどれが超人的なのか分からないので、自分の今の順位を予想出来ないのが難点である。

「いやまあ最下位でも除籍処分は無いよな、うん。無ぇわ」

そんなときに名を呼ばれ、ボール投げの順番が回ってきた。

円から出なければ何をしてもいい、とは言われたが生憎俺は身体強化(制限付き)しか出来ないんで。

「3、2、1……で」

_____おらァ！！！！

大きく振りかぶって、力の限りぶん投げる。つまり、脳筋戦法。

自分の声だと分かるが、随分と野太い叫び声がグラウンド中に響き渡った。

その時の表情あまりにも凶悪だったらしく、一部の生徒はカタカタと身体を震わしていたらしい(相澤談)。

結果は802メートルと、随分と立派な成績が残った。……ごめん嘘ついた、どれが凄くてどれが雑魚いのか分かりません。