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39頁目 ページ8
「ごめんなさい」「ごめんなさい」と静かに涙を流して言うA。
彼女は…Aは、何に謝っているんだろう。
記憶喪失と何か関係があるのだろうか。
A「ごめんなさい…っ」
理由はよくわからない。
Aが何を背負って生きているかも、わからない。
だけど。
春草「…早く、泣き止みなよ」
自然と、何も考えていないのに、勝手にこの言葉が出た。
「助けてあげたい」と、そう思った。
「Aが背負っている物を、一緒に背負ってあげたい」とも思った。
気付けばしゃがんで目線を合わせて、手まで握って。
終いには、頭を撫でている
なぜこんなにも放って置けないんだろう。
A「…っ春そ…」
泣きながらこっちを見るA。
涙で潤んだエメラルドグリーンの瞳。
あまりにも綺麗で、吸い込まれそうになった。
A「…ありがとうっ…」
そう言って、Aは俺に向かって微笑んだ。
Aが笑う顔を見るのは初めてだった。
それもあるだろう。
異様に、胸が高鳴った。
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作者名：蓮 | 作成日時：2016年1月9日 23時
