掃除屋はじめました。２【A3】 (ページ20)

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47話ページ20

『昨日風呂で…ビックリさせちゃいましたよね…
ごめんなさい』

いづみ｢へ…｣

自分なりの精一杯のお詫びの言葉を伝える。

いづみさんは目を見開いたまま固まってしまった。

『なので…お詫びの花です』

いづみ｢……ふ、｣

『…ふ？』

.

いづみ｢ふふふふ…ｯアハハハハ！｣

『え"っ』

突然吹き出すいづみさん。

え、なんでだ、と呆気にとられていると、今度は腹を抱えて笑いだした。

『…誠心誠意謝ったんですｹﾄﾞ……』

いづみ｢あははっあー、ごめんごめん
ｯ急に花だして、片膝ついて

なんだか、プロポーズみたいだったから、ついｯ｣

…自分でやっといて恥ずかしくなってきたな。

なんとなく居心地が悪くなって頬をかいた。

『あんま、仲直り？みたいなの…よくわかんないんですよ…』

まぁべつにいづみさんとは喧嘩したわけじゃないんだけどさ

いづみ｢そっか、でも全然気にしてないから
こちらこそ心配させちゃってごめんね

お花ありがとう！かわいい花だね｣

『あ、それ紬くんに教えて貰ったんです。

ポピーの花』

『たしか花言葉は……』

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-紬side-

紬｢至くん、おかえり
…もしかしてその花……｣

至｢ただいま
これは…今日付き合ってくれたお礼にって、Aが…

なんか紬がこの花教えたらしいじゃん？｣

紬｢ううん
俺はアドバイスをしただけで、実際に花を選んだのはAちゃんだよ｣

ふわりと揺れた赤い花。

ふーん、と言って花を眺める表情は
どことなく穏やかに見えた。

そういえば…至くんの手に握られた花言葉は……

至｢俺のは赤だけど、監督さんにあげるのは黄色だったんだよね
同じ花っぽかったけど｣

(ああ、なるほど)

贈られた花に込められた想いに気づいて、思わず顔がほころぶ。

貰った本人は全く気づいてないみたいだけど、
彼女のことだからそれもわかった上でのことなんだろうな。

紬｢ポピーの花だね
その中でも色々種類があるから
監督のは多分【ハナビシソウ】なんじゃないかな
至くんのは、【ヒナゲシ】｣

至｢…花にもいろいろあんのね……｣

至｢…紬？何笑ってんの？？｣

(俺も陰ながら応援させてもらおうかな)

まずは、この人に花の手入れの仕方を教えてあげよう。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ハナビシソウ

｢和解｣｢私を拒絶しないで｣

ヒナゲシ

｢恋の予感｣