【ただ霧ばかり】 Side ゼン ページ35
『ん?』
「お前のところは、良しとされていたか?」
目を見張るA。聞かれるとは思っていなかったのだろう。
「その、貴族なんだろ」
『まあ、そうだが。お前に面と向かって言われたのは初めてだ』
嬉しそうに肯定するAに、踏み込んで良かったと胸を撫でおろす。
Aの祖国であるユエリャン王国と、クラリネス王国。二つの国が互いの国から使節を出し、情報を交換し合っている。その使節の一人がAである。国間の話なのでそれなりの身分がなければいけない、と暗に貴族であることを明かされていた。
しかし、Aに確認するのも気が引けていたのだ。
「で、どうなんだ?」
再度問えば、Aはゆっくりとその首を振る。
『ユエリャンでは、友人であっても登城させることはできない。というか、他国でも珍しいだろう』
「そうだろうな。他国でも、ここでの前例も皆無で、説得力に欠けることだからな」
『それでも撤回はしないんだろ』
「ああ、勿論だ」
断固とした言動に、Aも強く頷く。
『大丈夫だ、独りでは戦わせない』
「A」
ゼンは一瞬たじろいだ。Aの言葉はゼンが無意識に欲しているものだった。Aならば尚のこと心強く、安心感を与える。しかし、ゼンは反発感を覚えた。
白雪に「味方になりにくる」と言われた時はすとん、と収まった。それは「共にあること」を約束してくれたからだ。
Aの、こいつの頼もしい言葉は「犠牲」が過る。いつも、そう、いつものことだが。
(何で、お前は共にあろうと、隣で歩もうとしてくれないのか)
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りなーる(プロフ) - 更新待ってましたぁぁ!ありがとうございます!また楽しみにしてます! (5月29日 23時) (レス) @page39 id: fcaf0d8ff7 (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - ゼン落ち探してたのでとても嬉しい作品です!更新とても楽しみにします!頑張って下さい! (2018年9月4日 0時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
漫画大好き少女(プロフ) - 私も思ってました!流石にオビオチが多すぎてゼン落ち探してましたよ〜w (2018年2月21日 19時) (レス) id: 412f05bc98 (このIDを非表示/違反報告)
はいざそう(プロフ) - コメントありがとうございます!ですよね、ゼン落ち少ないです…これを機に!とは言いませんが、ゼン落ち増えてくれたらなあと思ってます。見てくださる皆さんの為に頑張りたいと思います、励みになりました!ありがとうございます。 (2017年12月26日 23時) (レス) id: 3f8fc48687 (このIDを非表示/違反報告)
(。ゝωσ)シャラッ☆(プロフ) - はじめまして!ゼン落ちが少ないっていう話私も同意見です!! 書こうかなと思っていたんですけど書くネタがなくて更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年12月26日 20時) (レス) id: 0de7fe527f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいざそう | 作成日時:2017年11月25日 18時