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no side
コンコンコン、と丁寧なノックが静かな部屋に響く。ついさっき春千夜と仕事の話をし終えたマイキーが意識をそちらへ移すと、続いて声が聞こえた。
「ボス、鶴蝶です。今よろしいでしょうか」
「……入れ」
鶴蝶はガチャ、と大きな扉を開けて入ってきて、ぺこりと丁寧にお辞儀をした。
「何の用だ？」
「先程、アジト内で女に会いました。銃を向けても''ボスに連れられてきた''と言っていたのですが、やはり不審だったので確認をとりに参りました」
「あぁ、Aか。そう、アイツはオレが連れてきた」
「……失礼ですが、どのような目的で彼女を？」
「……目的はない。アイツと話してると、心があったまるんだ」
「すみません、よくわかりません」
某バーチャルアシスタントの言葉を発してしまうくらいには鶴蝶も困惑していたのだ。
しかしそれも仕方ないであろう。
普段は氷のような、刃のような冷たさを感じさせるマイキーの表情が、恋する乙女のような、亡くなった優しい祖母のような暖かなひだまりを思わせる微笑みを浮かべていたのだから。
「……アイツ、トリップしてきたらしいんだ。別の世界から。ここは漫画の世界らしい」
「………もしかしてオレの頭がおかしいんですかね？」
「いや、オマエはおかしくないよ。オレも最初は信じ難かったけど、色々話してくれたんだ。オレらのこと、昔から知ってるような口ぶりで」
もしかして自分の基準が狂っているのかと疑うほど、マイキーは冗談を言うような人ではなかったのだ。
しかし、おかしくないと言われ、しまいには再び暖かな微笑みを浮かべる始末。これは信じるしかなさそうだ、と諦めモードで話を聞くことにした鶴蝶。
「オレの昔の話とか、身内の話とか。オレが知らないオマエらの話だって知ってると思う。……イザナのことだって、きっとよく知ってる」
「！」
「詳しくは本人に聞け。……それにアイツ、ずっと見てられるくらい反応が面白い」
本日3度目の微笑み。梵天を結成してから見てきた表情の動きより、今日見た表情の動きの方が多いかもしれない、と鶴蝶は思った。
しかし、そんなくだらないことを考えられているのも束の間、鋭い瞳に早変わりした。
「だが、アイツに手ぇ出したら許さねぇ」
「………うす」
銃に触れどろりとした瞳を持ちそう言ったマイキーに、Aよご愁傷様と皆思うことだろう。
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輪廻 - まさかの主も春千代最推しで灰谷兄弟２番目推し…？だとしたら同じですね(*≧∀≦*)面白かったです！ (2022年8月4日 12時) (
レス) id: 9c10c18c2c (このIDを非表示/違反報告)
もからて(プロフ) - 梔子さん» コメントありがとうございます！！わわ、かっこいい……！！！コントラバスってあるのとないのとで全然違くてすごいなぁと思います！！応援ありがとうございます、頑張らせていただきます！！ (2022年1月11日 11時) (レス) id: b4d21722b0 (このIDを非表示/違反報告)
梔子 - 続編ありがとうございます！私も引退しましたが吹奏楽部でした！ちなみにベースとコントラバスです！これからも応援してます！ (2022年1月8日 18時) (レス) id: 092ca9b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
もからて(プロフ) - hit数バグかな……？？？ってくらい伸びてますね……続編を作ってから増えるの七不思議認定しちゃおかな (2021年12月24日 13時) (レス) id: b4d21722b0 (このIDを非表示/違反報告)
もからて(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます🙏わ、フルートさん！！！フルート素敵ですよね、美しい(小並感)応援ありがとうございます🥰 (2021年12月23日 5時) (レス) id: 0305f55f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もからて | 作成日時：2021年10月12日 0時
