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「っ…なぜここに…。」
「オイラもお前と同じバス使ってるんだよ。
…それより人様の弟に変なこと吹き込みやがって」
「わっ、私は事実を言っただけです!女子生徒に言い寄られて満更じゃなさそうじゃないですか!!!」
「……あれはだな…。その…あれだ」
「何も言い返せないじゃないですか」
ハッとサンズ先生の弟さんの存在を思い出して、
見ると、もういなくなっていた。
さすがにパワフルすぎて、引いてしまった。
サンズ先生はというと、ずっと言い訳を考えている。
もう素直に認めたらいいのに。
私も少し言いすぎてしまったところもあるからな…。
悩んでいると、バスが来てしまった。
急ぐように座席に座ると、サンズ先生が隣に座ってきた。
…なんか恥ずかしい。
「あの……」
「なんだガキンチョ。」
「だから…!名前ありますって。」
「あーすまんすまん」
「えーと」と私の顔を見て悩みだした。
この人、本当に覚えること苦手なんだな。
「よく思い出してください。
私のこと、普通の苗字ってバカにしたじゃないですか」
「あー、佐藤か。」
「いや誰!?加藤です!」
ニヤッと笑った顔でこちらを見てきた。
絶対面白がってる。
その時、バスが激しく揺れた。
私は少し怖がってしまい、目をつぶっていた。
揺れがおさまったところで、
目を開くとすぐ前にはサンズ先生がいた。
いわゆる壁ドン状態になっている。
「ななななにしてるんですか…!?」
「お前の方向いてたから仕方なかったんだよ!」
「でも…!これは完全にアウトですから!!」
さっきまで普通だった心臓の音が、
急激に早くなっていく。
落ち着いて私。鼓動が早くなってるのは、
急に少女漫画みたいなことされたから。
決してサンズ先生にドキドキしたんじゃない。
そう思っても、なぜか鳴り止まない。
「加藤、顔赤いけど大丈夫か?」
「だっ!大丈夫です!」
サンズ先生といるとロクなことがない。
あ、でも、ゆうきと話すネタになる。
いや、これは言わない方がいいか。
学校に着くと、ゆうきの姿が見えていた。
私とサンズ先生は別々に出ていった。
「おはよゆうき」
「おはよー…てか、サンズ先生とバス一緒だったの?」
「え、そうなの?今知った」
「いやもうちょっと人を見ようよ」
あの人、喋ってみると結構喋る人だったな。
そんなことを考えていた。
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ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます!!そのお言葉、読む度に噛み締めております!中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います! (4月30日 20時) (レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなどり。 | 作成日時:2023年10月6日 17時