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テストが始まって約10分が経ったころ。
テストの問題は順調に解けているが、
気になるのがサンズ先生だ。
今は理科のテストだからか、やけに私の周りを徘徊してくる。
はっきり言って怖い。
「加藤。」
「はっはい、?」
「消しゴム、落とした」
「あっ、…ありがとうございます。」
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「Aってさぁ……、」
「あかり、なんとなく言いたいこと分かるよ」
「あっ、ゆうき分かっちゃう?」
「あれはあるよね」
「それな。」
あかりが何かを発言したと思ったら、
勝手にゆうきと2人で解決しちゃっている。
かくいう私は、なんのことかもさっぱり分からないし、
多分分からなくていい気がする。
「サンズ先生ってAのこと絶対好きだよね」
「…はっ?」
「え、もしかして気づいてない感じ?」
「いや…、え?……ん、?」
ゆうきが「顔真っ赤だ〜!」とめちゃくちゃ大声で言ってくるのでチョップを食らわせてやった。
…いやいや、仮にも人生を3回生きてるんだ。
そんじゃそこらの男の人には多少ドキドキはしないはず。
だけど、サンズ先生の行動はどれも突発すぎて、
私も理解が追いつかない。
だからこんな変な気持ちにさせられる。
「…次、古文でしょ?覚えないとマズいんじゃない?」
「げ!ほんとだ!!流石に無理〜!」
あかりが「もういっそ諦めちゃおうよ!?」と意味不明なことを言い出すから「じゃあ、私達にジュース奢ってね」と言うと、古文の重要語句を唱え出した。
こんなに余裕ぶっているが、本当は全然覚えれていない。
理科だけを重点的にしてしまったから。
そして思わぬところに強敵が。
「私…、トイレ行きたい」
「え、教科書持ってく?」
「ゆうきがトイレの外で唱えてくれたら覚えれる…」
「ゆうきそんなに暇じゃないんだけど!?」
「冗談冗談。すぐ戻ってくる」とだけ言い、
教室をあとにする。
廊下は思っていたより静かで、世界が私1人になったみたいだった。
「おっ、加藤」
「……げ。」
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ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます!!そのお言葉、読む度に噛み締めております!中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います! (4月30日 20時) (レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなどり。 | 作成日時:2023年10月6日 17時