24。 ページ24
•
「A〜!!」
「おぉ、ゆうき、理科は覚えられそう?」
「無理…。」
「もー、復習した方がいいよってあれほど言ったのに」
教室の中でゆうきはゾンビみたいに机に突っ伏し、
理科の教科書と仲良く喋っている。
その時、清水さんがこちらに、
接近してきた。
「私も一緒に勉強していい?」とのこと。
私はあまりいい顔をしなかったが、
ゆうきが「大歓迎!!」と言うので、ゆうきに従うことにした。
「……」
ダラダラ解いていると、休み時間はもう10分を切った。
人生を何度生きても、勉強はできないし、嫌いだ。
「加藤さん。ここ、間違ってるよ」
「え、…ほんと?」
「うん」
「…うわ、しかもがっつり出るとこじゃん。
ありがと、清水さん」
「…私もそこ苦手だし、お互い頑張ろ!」
「うっうん、」
「ちょっとー2人の世界に入らないでよー」とゆうきは暴れているが、それよりも私は清水さんのキャラが優しくなっていることに1番びっくりしていた。
今までは、自称陽キャの一軍女子みたいな感じだったのに、今では、人当たりがいい、優しい人だ。
やっぱり、変わったきっかけってゆうきなのかな。
「…変わったね。清水さん」
「…うん。あなたにもたくさん迷惑かけたよね。
思えば、加藤さんの言う通りだなって思ったよ」
「…ごめん、覚えてないや」
「それはひどいよー。(笑)」
「しゃーないよ!Aはおばあちゃんだから!!」
「はい、ゆうきは口じゃなくて手を動かす」
私のツッコミがツボにはまったのか、
清水さんは大笑いをしている。
テスト勉強を真面目にしていた人達にはすごく睨まれたけど、私はそんなに悪い気はしなかった。
絶対テスト勉強の雰囲気ではないけれど。
「そうだ加藤さん。私のことはぜひ名前で呼んでほしいのだけど」
「…いいよ、あかり。
けど、私のことも名前で呼んでね」
「それくらいお安いご用よ!」
ついにチャイムがなってしまった。
みんな一斉に筆箱だけにして、
視線をドアに向ける。
試験監督はサンズ先生だった。
•
29人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます!!そのお言葉、読む度に噛み締めております!中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います! (4月30日 20時) (レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなどり。 | 作成日時:2023年10月6日 17時