16。 ページ16
•
「理科を始める前に少し話をしよう。」
先生がそう言うと、空気が一気に凍った。
いつものふざけてる先生じゃない。
殺人鬼のような目をしている、モンスターだった。
「加藤。」
「…！はっ…はい」
「何を言われても、こっちは悪くないんだ。
挑発するようなことは言うんじゃない。」
「……はい」
「それと、清水だな」
また怖い顔に戻り、清水さんの方を見た。
「清水。なぜ小林をいじめる」
「なぜって…。うっとうしいのよ。
人の彼氏奪ったつもりでいるんでしょ？」
「ほう…？じゃあ、お前は人をうっとうしいと思ったら、精神的に追い詰めてもいいし、殴ってもいいのか」
「そっそんなこと言ってないでしょ！？」
「言ってんだよ、クソガキ」
次の瞬間、清水さんの周りに
骨が降ってきた。
紛れもない、それはサンズ先生の仕業だった。
先生はゆっくりと清水さんに近づいていく。
みんな先生を、化け物ような目で見る。
私も驚いてしまっていた。
「なぁ、お前は何歳だ？
そろそろ分かるだろ。いじめをされたニンゲンがどれだけ苦しいか」
「そんなの…！！分かってんのよ！
でも、…分かる？突然彼氏から別れを告げられた悲しみを…！アンタ分かんの…！？」
「…だからって…小林に当たるのは違うだろ。
それともなんだ？その元カレに嫌味の1つや2つも言えないのか？」
「それは……。」
「よく考えるんだな」とだけ言い、サンズ先生は教科書を開き始めた。
それに同調するように、私達も教科書を開いた。
清水さんはその場にいることが辛くなったんだろう。
教室から飛び出して行った。
「……心配か？」
「まっ、……まさか。」
「heh…ほんとにそう思ってるか？」
「だっだって、ゆうきをいじめたんですよ。
心配なんて、するはずないじゃないですか、」
「言い訳して"いいわけ"か？」
「はぁ……。」
ため息はついているけれど、
少し、いつものサンズ先生に戻ってよかった、と思ってしまった。
サンズ先生だけは怒らせないようにしないと…。
•
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます！！そのお言葉、読む度に噛み締めております！中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います！ (4月30日 20時) (
レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなどり。 | 作成日時：2023年10月6日 17時
