ボス(仮) ページ46
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狐side
「……ろ!…………よ!」
『ん…ぅ』
声がする。
「………き…ろ!起きろよ!」
バチンッ
頬に鋭い痛みが走る。
『ほへ?』
強制的に覚醒させられ、脳が混乱する。
確か…俺は…
「ぎづねぐん!ごべんねぇぇぇ!!」
目と鼻から水を滴らせ、酷い顔で泣き叫ぶ依頼人。
一瞬、殴られでもしたのかと思ったが…依頼人は元より酷い顔なのだ。
『お兄さんっ…!!大丈夫?!』
「だいじょうぶだよぉぉぉ!!」
「るせぇ!静かにしろ!!!」
パチン
『っ…』
何故か俺が叩かれる。
「にしても…流石、御曹司様。いい御趣味をしてらっしゃる」
クイッと顎を持ち上げられる。
『御曹司…?』
待って、なんか凄い面倒臭い事に巻き込まれてる気がする。
「そうだよ、ガキんちょ。コイツはな、パパに大事に大事に育てられた世間知らずのお坊っちゃまでな…」
自分の立場も分からず、護衛の一人も付けねぇで出歩いてやがんだよ。
『…お兄さん、そんなに偉い人だったの…?』
ヤバい…今までの態度といい、俺がショタじゃないなんてバレたら人生終わる…
「ごめんね狐君。でも僕は、かしこまった態度じゃなくって素の狐君、少し気持ち悪いおじさんとデートさせられて、依頼だから無下には出来ず困りながらも頼んだことはやってくれる!…そういうのが見たかったんだ…」
『お兄さん…』
ごめんなさい、最高に気持ち悪いです。
「な、なぁ、ア、アイツ大丈夫なのか?」
ボス(仮)からも引かれている依頼人。
『ぼ、僕に聞かれても…』
「ハハッ、こんな僕は親のお荷物となって生きていくしかないんだろうな…」
いきなり悲観オーラ全開の依頼人。
『…』
正直、掛ける言葉もございません。
「ま、まぁ、なんでもいいさ。お前がどんなに気持ち悪くても、人質としての価値はあるんだ。使わせてもらうぜ」
お前ら見張っとけと部下(仮)に指示を部屋を出ていくボス(仮)。
『二人…』
部屋を見渡す。
俺は考えたのだ。この気持ち悪い依頼人は、きっと家柄は良い。
ここでコイツを助けて、恩を売れば今までの悪行がチャラになるだけでなく、お釣りも帰ってくるのではないかと…!
…あぁ、ショタの純粋さに癒されたい。
兎にも角にも俺は、御曹司を助けてやる事に決めたのであった。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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あずきいろ
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イッちゃんことイツキ - めちゃくちゃすっきゃねん。続き待っとるよ? (2019年8月14日 23時) (レス) id: a379afff4d (このIDを非表示/違反報告)
ミルキークイーン(プロフ) - 月夜 黒輝さん» コメントありがとうございます。長らく更新を止めてしまい申し訳ないです。私自身もなんとか完結には持っていきたいと思っていますので、出来るだけ早く最終話をお届けできるよう頑張ります。ご意見ありがとうございました! (2018年11月23日 1時) (レス) id: ed76086949 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - 続きは無いのですか!もうすぐで終わりそうなものなので完結までみたいです! (2018年11月21日 3時) (レス) id: 9616d08dd2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキークイーン(プロフ) - あこさん» コメントありがとうございます!更新頑張りますm(*_ _)m (2017年12月7日 23時) (レス) id: ed76086949 (このIDを非表示/違反報告)
あこ - 更新待ってます!!wkwk (2017年12月4日 19時) (レス) id: 776ad2af11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルキークイーン | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月4日 1時