踏んづけた37 ページ38
えっと…
ごめんなさい、全っ然誰だか分かんないです、はい。
私、ついこの間まで学校のプリンスの名前ですら知らなかった大馬鹿者なんです、はい。
貴方「…え、えと、私は3Aの文月Aと言います!よろしくです!」
深くお辞儀をし、今度は私から手を差し出す。
高杉「…おい」
貴方「…え?」
呼ばれたその声に、ペコリと深く下げていた頭を上げる。
高杉「…お前、俺の事知らねぇのか?」
意外そうに私を見つめると、高杉と名乗った彼は階段に腰を下ろした。
あ、バレた…
貴方「す、すみません…」
高杉「…この学校の生徒なら、不良である俺の名前を知っててもおかしくはねぇ。
それにお前は同学年だ。入ったばっかの一年じゃねぇだろ。」
貴方「いや、あの、はい、すみません…」
高杉「……別に攻めてはねぇよ。
ただ、怖がって逃げてくのを予想してたから驚いてるだけだ。」
そう言うと小さく笑う。
怖がって逃げる…?
貴方「…?
それ、は、違うと思い…ます?」
あ、疑問系になった…
高杉「…何がだ。」
否定した私に、彼は再び意外そうな表情で私を見つめる。
貴方「…私がもし、高杉晋助という人がどんな人でどんな事をしていると知っていたとしても、私の不注意でぶつかってしまった事にはちゃんと謝罪します。」
高杉「……。」
貴方「…それに、本当に不良で怖い人は、ぶつかっても“平気か?”って手を差し伸べてくれたり、謝る私を素直に許してくれるのかな…?」
高杉「……。」
すると彼は一瞬見据えるような驚いた顔をし、階段から腰を上げる。
貴方「…い、いや、あの!でしゃばってすみません!
ただその、純粋にそう思ったんです!悪気とか全くないんです!」
立ち上がると、私の目の前に来て私を見つめる彼に、私は青ざめた顔でブンブンと顔を左右に振り、必死で否定をする。
高杉「…名前、何っつった?」
貴方「…え?」
高杉「…お前の名前だ。」
“名前だ名前”と急かされ、私は改めて自己紹介。
貴方「…文月…A、です。」
高杉「…A、な。
ククク。気に入った。
なかなか良い女だ。…要素も、中身も、な。」
そう言うと彼は背中を見せて歩き出し、「またな」と呟くと角を曲がって行った。
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たこ焼き - また、更新されてる(* ̄∇ ̄*)ありがとうございます!! (2015年5月9日 1時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - ご入学おめでとうございます!!これからも頑張ってください!応援しています! (2015年4月26日 18時) (レス) id: 10049cc502 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 作品更新されてる!!d=(^o^)=b 高校御入学ほんとにおめでとうございます!(*^^*) (2015年4月15日 1時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 入試お疲れ様です!作品楽しみにしております!! (2015年3月28日 17時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - やばいぃぃぃぃ萌えるわぁぁ (2015年2月4日 20時) (レス) id: b6ae7916eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キルサ@サブ | 作成日時:2015年1月27日 0時