踏んづけた30 ページ31
貴方「…ここ、何処ですか…」
沖田「…着くまで黙ってろィ」
貴方「……。」
急な坂道をひたすら上り、人気のない峠を越える。
来た事も見た事もない景色と風景に、緊張の色が走る。
沖田「…もう少し…でさぁ、」
聞こえるか聞こえないかぐらいにﾎﾞﾂﾘと呟いた言葉を耳にし、少し安心感を覚える。
貴方「…だ、大丈夫?」
長い事こぎ続けた自転車に対し、総悟君の息は結構上がってきている。
腰から手へと伝わって感じる湿ったYシャツをぎゅっと掴む。
沖田「…てめェ何ぞに心配される筋合いはありやせんぜィ」
素っ気なくそう返し、ただただこぎ続ける総悟君。
もう、素直じゃないなぁ…
貴方「…代わっても、良いからね。」
自分でもしつこいと分かっていても、ついつい口走ってしまう。
沖田「しつけェ」
貴方「うん。でも、代わるからね…」
沖田「……。」
そこで総悟君は何も言わなくなった。
やはりあれだろうか、ﾌﾟﾗｲﾄﾞ…と言うものがあるのだろうか。
ここまで来たのに途中で疲れてへばって女と交代、なんて嫌なのだろうか…
相手があの総悟君なら、尚更そうなのかもしれない…
うん。
。
。。
。。。
貴方「……ぇ」
そこで私は言葉を失う。
目の前に広がる“海”と言う名の絶景に。
ｼｬｰｯと坂を下りながら自転車のこぐ音と共に、目先に映るｷﾗｷﾗ輝く青い海。
沖田「…ははっ、驚き過ぎて声も出ねェかィ」
額に汗を浮かべる総悟君は、自転車はｷｰｯと止めると、どこか満足そうに笑う。
貴方「…う、嘘…綺麗…っ」
あまりの感動に、鼻の奥がｼﾞｰﾝと痛む。
沖田「…自転車置いてきやすから、先に海に行ってろィ」
私が自転車から降りたのを確認すると、総悟君は自転車のﾊﾝﾄﾞﾙに手を置き、歩き出した。
そんな総悟君の背中を暫く見つめ、海にﾁﾛﾘと視線を送り、思わずﾊﾞｯと飛び出す。
ｻﾗｻﾗした砂漠のような砂と、太陽の光に照らされｷﾗｷﾗ光る海と貝殻に思わずうっとりと目が離せなくなる。
沖田「…随分、気に入ったようですねィ」
背後から聞こえたその声にﾊﾟｯと振り返ると、ﾎﾟｹｯﾄに手を突っ込みながらこちらに向かってくる総悟君が居た。
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たこ焼き - また、更新されてる(*￣∇￣*)ありがとうございます!! (2015年5月9日 1時) (
レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - ご入学おめでとうございます！！これからも頑張ってください！応援しています！ (2015年4月26日 18時) (レス) id: 10049cc502 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 作品更新されてる!!d=(^o^)=b 高校御入学ほんとにおめでとうございます！(*^^*) (2015年4月15日 1時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 入試お疲れ様です！作品楽しみにしております!! (2015年3月28日 17時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - やばいぃぃぃぃ萌えるわぁぁ (2015年2月4日 20時) (レス) id: b6ae7916eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キルサ@サブ | 作成日時：2015年1月27日 0時
