踏んづけた29 ページ30
貴方「…せっかくなんで、少しばかり頑張ってこぎますけど…」
ボツリとそう呟くと、総悟君は暫く私を見つめ、そしてフッと笑った。
沖田「何でィ、何だかんだ言って俺に尽くす気満々じゃねェかィ」
ニヤリと口角を上げ、不適な笑みを浮かべて私を見つめる。
貴方「その言い方止めてくれませんかね…
ここまで来たんなら、最後まで付き合うって話しですから。」
沖田「そうですかィ。んじゃ、遠慮なく。」
貴方「……え、」
そう言って前のサドルに移動し、総悟君は今からこぐかのように足をかける。
沖田「何でィ、付き合うんじゃねェの?」
ポカーンと見つめる私に、総悟君は面倒くさそうに言う。
貴方「…い、いや、そのつもりでしたけども…」
沖田「俺の言動にあんたはいちいち反論しなくて良いんでィ
いいから、さっさと後ろに乗りなせェ」
そう言うと総悟君はぐるんと自転車を回転させ、駐輪場から出ようとする。
貴方「わ!わ!乗ります!」
慌てて自転車の後ろに乗る私。
沖田「最初っからそうしろよ、面倒くせェ…」
そう言って自転車をこぎ出し、“振り落とされんなよ、怪我したり泣いたりと面倒くせェから”とボソッと囁いた。
貴方「……。」
ねぇ、総悟君。
やっぱり、さっきの前言撤回、少しだけなかった事にしてあげるね。
ほんの少しだけだけども!
ほんの少し…
ほ〜んのちょっぴりだけ…
総悟君には、不器用な優しさがあるんだって。
__*
キラキラと風に靡く髪の毛から男物のシャンプーの香り。
他の男の子と比べれば細いけれど、ガッチリとした身体付き。
うっすらと浮かび上がっている額や首回りの汗。
微かに感じる温かい体温と吐息。
私は肩に置いていた手を総悟君の腰に回し、その手にきゅっと力を込めた____
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たこ焼き - また、更新されてる(* ̄∇ ̄*)ありがとうございます!! (2015年5月9日 1時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - ご入学おめでとうございます!!これからも頑張ってください!応援しています! (2015年4月26日 18時) (レス) id: 10049cc502 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 作品更新されてる!!d=(^o^)=b 高校御入学ほんとにおめでとうございます!(*^^*) (2015年4月15日 1時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 入試お疲れ様です!作品楽しみにしております!! (2015年3月28日 17時) (レス) id: f4de1a5df2 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - やばいぃぃぃぃ萌えるわぁぁ (2015年2月4日 20時) (レス) id: b6ae7916eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キルサ@サブ | 作成日時:2015年1月27日 0時