いつも隣で【男性声優】

眠れぬ夜は(小野大輔) ページ3

ただいま、午前1時半過ぎ。
ベッドに入ってから約1時間ほど経過しているが、どうしたものか全く眠れない。

一旦起きて何か飲もうと寝室を出て、リビングへ向かう。
すると、ソファーに先客がいた。

『あれ？大輔、起きてたの？』

「いや、なんか寝れなくて。Aは？」

『私も、寝れなかったから起きてきたんだけど…』

なにこの奇跡、と二人で笑う。
彼の真似をしてコーヒーをいれ、右隣に腰をおろした。

特に会話もせず、ゆっくりと時が過ぎていく。

『…ねえ』

「ん？」

『甘えてもいい？』

コーヒーを飲み干し、空のカップを傍らに置いて、私は大輔に寄りかかるようにして距離を縮めた。

「…どしたの、急に」

『んー、気分』

戸惑いながらも背中に手をまわしてくれる彼。
勢いでほっぺたにキスすると、ぴたり、と彼の動きが止まった。

『…？』

「_____そんなに甘えたいなら、俺も応えなきゃな」

次の瞬間、大輔が急に立ったので、私は前を向いたまま左に倒れこんだ。
体勢を立て直す暇もなく、くるんと仰向けの姿勢にされ、彼が覆いかぶさってくる。

降り注ぐ甘いキスの雨。

「いっぱい甘えさせてやる」

『っい、や』

耳元で囁く低い声に、体が反応してしまう。


今日はこのまま、寝かせてもらえないみたいだ。

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