いつも隣で【男性声優】

★お酒と本音(鈴木達央) ページ18

夕食の後。
二人ともお風呂を済ませて、床に置いた小さなテーブルに向かい合って座り、ちびちびとお酒を飲んでいた。

達は頬杖をついて、私越しにテレビを眺めている。
そのやけに真剣な顔を見つめていると、ふいに彼の視線が私に移った。

「なに見てんの」

『……達、やっぱイケメンだよね』

「…は？」

『それに声もよくて、優しくて』

「…なんだよ、急に」

私はどうやら酔っているみたいだ。
お酒のせいで、普段なら言えないようなことが口から溢れ出る。

『…頼もしくて、男らしくて、私のことちゃんと考えてくれてて、怒るときは怒ってくれる』

「……」

『ありがとう。…大好き』

そこでふと、我に返った。

みるみる顔が熱くなっていくのを感じる。

なに言ってんだ私。どうした。
思わず下を向いて、これはお酒のせいお酒のせい、と言い聞かせる。

そして、恐る恐る顔をあげた瞬間。

達が膝立ちになり、ほぼ同時に右手を強い力で引っ張られ、そのまま強引に唇を重ねられた。

突然のことで頭が追いつかない。

長めのキスのあと、彼は呟いた。

「…お前…ずるいよ」

『…へ、』

「限界」

言うが早いか彼は立ち上がり、私の隣に来た。

かと思えば、一瞬で、私は床に押し倒されていた。

視界いっぱいに映る、達の整った顔。

『……た、つ』

「悪い、…けどこうなったのは、お前のせいだから」

余裕のなさそうな表情。心なしか荒い呼吸。

また、唇が重なる。深く、長く。

私の酔いと、達の理性は、どこかへ飛んでいってしまったようで。

彼は低く甘い声で、私にこう囁いた。



「_______覚悟しろよ、A」

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