20日目(レッドside) ページ24
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「…ん………おは…よう…A…」
「!!?おっ、おはははよよようう!!」
「…?うん…」
寝起きの頭でなんとかAに挨拶をするととても動揺し上擦った声で返事が返ってきた
(…何かしたか…?)
そう思い記憶を探るが特にした覚えがない
「じゃ、じゃあ!私、先に食堂行って待ってるね!!また後で!」
言うが早いかそくささと部屋を出て行ってしまった
「…?ピカチュウ、僕何かしたか…?」
そう尋ねるもピカチュウはやれやれといった風に首を振るだけだった
・・・・・
身支度を整え食堂へ行くと探していた人物と見知らぬ男がテーブルを挟んで楽しそうに談笑しているのが目に入った
(…誰だ?)
そう1人訝しんでいると
「あ、レッド!」
「お!君がレッド君だね?」
「…そうですけど…あなたは?」
「クールだなぁ…俺はこの子と同じ編集社で働いているダイチと申します。まぁ、先輩ってやつだ。以後よろしく頼むよ」
「はあ、まぁよろしくお願いします」
(あまり仲良くする気は無いのだが…)
「…フム」
「…?」
「フムフム」
何を思ったのか、ダイチはレッドの周りをぐるぐると回り始めた
「あぁ、それ、先輩の癖だから気にしなくていいよ」
「癖?」
「そ、新しい物とか人とかに出会うとそれを観察し始めるの」
楽しそうに話すAが眩しく感じると共に心の奥でモヤモヤしたものが渦巻いていた
「……なるほどねぇ…」
小さくダイチが呟いたのに気付かない程、それに気を取られていた
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作者名:よもぎ | 作成日時:2017年9月17日 19時