赤い人と私【レッド】 (ページ19)

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16日目ページ19

レッドの手を借りて立ち上がりネイティオを見つめた
瞳は光が差しておらず赤黒い色をしていた
ふと、違和感を覚えよく見ると首の辺りに目立たない色をした首輪を付けていた

「あの首輪…私が付けたものじゃない…」
「ってことは…ピカチュウ…！」
「ピッカ！」

レッドの合図でネイティオ目掛けピカチュウが駆け出す
そしてアイアンテールで首輪を壊そうとするも既の所で躱されてしまった

「そうやすやすと壊される訳無いだろう？さぁかかってきたまえ」

サカキは言うと同時に4つのボールを宙に投げた
出てきたのは全て私の仲間たち、それぞれ首輪をしていた
久しぶりに見た姿に涙腺が緩むがぐっとこらえ一歩踏み出す

「……私の仲間を返してもらいます。3人共手を出さないでください。私が…やる」
「A………危なくなったらそん時は助けるからな！」
「……ありがとう」

顔だけを向けお礼を言う

「ピカチュウ。…一緒に戦ってくれる？」
「ピカピカ！ピッカ！」

任せろと言わんばかりに前へ進み出るピカチュウに心強さを感じながらサカキ、いや、操られてしまっている仲間たちと対峙する
１つ深呼吸をすると視界がクリアになっていくのが分かった

「…ピカチュウ、かげぶんしん！」

薄暗い部屋に無数のピカチュウの姿が現れた
だが、ネイティオたちは広範囲の技を繰り出し影たちを一瞬のうちに消してしまった

「っ！ピカチュウもう一度かげぶんしん！そしてでんこうせっかで首輪を！」

今度は上手く接近し首輪に攻撃することが出来たが首輪はビクともしなかった

「そう簡単には壊せんぞ？次はこちらからだ！」

サカキがそう言うが早いかネイティオたちは敵意をこちらに向け高出力の技を貯め始める

「……っA！後ろに下がれ！出てこい、イーブイ！」
「ブィッ！」
「特大のを見せてやれ！まもる！」

青緑色の透明な壁が通常の何倍もの大きさとなって私たちを包み込んだ

「おいA、どうする？！このままじゃ押されちまうぞ！」
「…………大丈夫。私はあの子達を信じてる…！ピカチュウ、行こう」

一歩ずつ地を踏みしめ進む

一歩、また一歩

目指すは私の仲間たちの元

「ネイティオ、ラプラス、フシギバナ、ガルーラ、キュウコン、ニドクイン」

それぞれの名前を呼べばフッと冷たい瞳が揺らいだ

身体にそっと触れれば優しい声で鳴いてくれる

「…ごめんね…おかえり」

ひとりでに首輪が割れる音がした