赤い人と私【レッド】 (ページ18)

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15日目ページ18

ようやく顔の赤みが取れた頃私たちはいかにもボスが居ますというような扉の前に居た

「…絶対ここだね…」
「あぁ。…僕、実はロケット団のボス、サカキに一度負けてるんだ…」
「えっ…」
「まぁその後リベンジ戦でボコボコにしたんだけどね…」

さらりと言われた事実に驚きを隠せずレッドの横顔を見つめていると

「おーい、レッドくん！Aくん！先に着いていたのか！」
「あ、ワタルさん、グリーン」
「…遅い」
「うっせ」

別の道へ行った2人と無事合流できたところで4人で再び扉に向き合う

「…よし、君たち準備はいいね？…いくよ…！」

ギィィ……

・・・・

重厚な扉を開けるとそこには黒いデスクと椅子があった
椅子はこちらに背を向けており誰か座っているのか分からなかった

「……フフフ、ハハハ！よく来たな、ゴミども」
「…サカキ…！」

くるりと椅子が回り座っていた人物が姿を見せる

「今すぐ怪電波を止めろ！！ポケモンたちが苦しんでいる！」
「だからどうした？我が野望の前には多少の犠牲は必要なのだよ…何故それが分からない？」
「多少の犠牲…？ふざけるな…！」
「ふざけてなどないさ、私は至って真面目だ。止めたければバトルで勝負するかね？」

ポンっという軽快な音の後に出てきたポケモンは私のネイティオだった

「え…なんで、あなたが私のポケモンを…？」
「Aの…！？」
「君のポケモンたちは実に洗練されて素晴らしかった。だから利用させてもらっているよ。あぁでもこいつらは君のことなど覚えてはないだろうがね」

サカキの言葉に足から力が抜け地面に膝をつく
そして世界から色が、音が、全て消え去っていった
モノクロの無音の映像が目の前を流れていっているようなそんな感覚に陥った
頭の中を駆け巡るのは自分を責める言葉ばかり

(なんで私は助けに行かなかった？サカキに利用される前に助け出せたかもしれないのに。もう遅かったの？何もかも。あの子達に謝ることもできないの…？)

全てが遮断された世界でレッドの声だけが聞こえた

「…A！…A！しっかり…！」

いつもの冷静な声ではなく焦っている声が

「…助けるんでしょ！？君の仲間たちを！」

(そうだ…助けなきゃ。私の仲間も、あの赤いギャラドスも、みんな…。でも…)

「出来るかな…」
「…出来るに決まってる！僕が…出来るって信じてる…！」
「…うん、ありがとう…」