11日目 ページ14
「ごめん、ありが、とう」
私は涙を拭いて真っ直ぐに伝える
我儘を言うなんてまるで子どもみたいだ、なんて思いながら
「っけど、2人だけに任せっきりになんてしないから！私も一緒に行って、全員でカントーに帰りたい。あの子たちとまた一緒に色んなところに行きたい。だから、私も連れてって」
グリーンは私の意思を確認するようにじっと最後まで話を聞いてくれた
「…だそうですよ？ワタルさん。俺は賛成派です。レッドは？」
「僕も連れてってやりたい」
「ッハァーわかったわかった。どうせダメだとここで言ったらそこの2人に殺されそうだし言ったところで1人でも乗り込むだろうしな」
「あれ、よく分かりましたね？」
「ボールに手をかけながら言うセリフじゃないぞ、全く…」
ワタルさん達を横目に私はレッドに話しかける
「レッドが賛成してくれるとは思わなかったな」
「なんで…？」
「うーんなんていうか賛成される要素がないと言うか…？」
「……昔の僕と同じだったから、かな」
「？どういう事？」
首を傾げながら問うと自分の目を指差し
「目が同じだった、僕がロケット団を倒しに行く前と。ただ、ひたすら前だけを見て周りなんか見えなかった頃と…同じ」
そう言ってほんの少し笑ったレッドの横顔はとても寂しそうに見えてー
「おーい2人とも置いて行くぞー？」
その声にハッと現実に引き戻された
「！今行きます！レッドも行こう」
「うん」
・・・・・・・
「で、どこに向かってるんですか？だいぶ歩きましたけど…」
「あぁもうすぐそこだ。ほら、見えてきた」
林の中を抜けていくとそこには青い湖が
「ここって…湖？」
「そうだ、ここはいかりのみずうみと言って赤いギャラドスがいるらしい。だが…「実はチョウジからの怪電波によって無理やり進化させられていた。それを止めるためにチョウジのロケット団アジトに行かなくてはならない、でしょう？ワタルさん。さっさと行きましょう」あ、あぁ俺のセリフ…」
私の子達以外にも被害を受けている人やポケモン達がいる
そう思うとなお一層早くこの問題が終わればいいのにと強く願った
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作者名：よもぎ | 作成日時：2017年9月17日 19時
