10日目 ページ13
あの時は承諾したけれどロケット団が復活したのならあの子たちだってまだ捕まったままかもしれない
それにあの2人だって絶対ここに居る
電話が繋がらないならしょうがない、この地方のジムリーダーに話を聞きに行くまでだ
「そのためにはっと、チョウジジムのヤナギって人に会えばいいんだろうけど…ジム休みじゃん…。参ったなぁ…」
「ピッ？」
「どうしたの？ピカチュ…ウ」
私がピカチュウの視線の先を見るとマントを羽織った変な人がこちらを見ていた
「やぁ君！どうやらおこ…」
「いえ、別に困ってないです、失礼します」
「待った待った君、Aくんだろう！？俺だ、ワタルだ！」
「あぁ…チャンピオンさんでしたかただの変人かと思いました」
だっていかにも変人ってオーラ出しているんだもの、間違えもする
「ひどいな！…まぁいい、ロケット団の事だろう？」
「…はい」
「今ジムリーダーたちはもちろん四天王や俺まで駆り出される始末さ。だからジムは休み、みんなあちこちに散らばっているロケット団の対応に追われているよ」
「そう、ですか。アジトの目星は付いてるんですか？」
「付いてないことはないが…まさか付いてくるつもりかい？」
「当たり前です。あの子たちが居ても居なくても私は闘います。だから、お願いします！」
勢いよく頭を下げ自分の意思を伝える
隣でピカチュウも頭をさげてくれているのが見えた
「うぅーん、だがなぁ…」
「いいんじゃないですか？ワタルさん、連れてってやれば」
聞き覚えのある声が聞こえ頭を上げると…
「よっ、A。まさか来ちまうとはなぁ…」
「……」
ワタルさんの背後から出て来たのは苦笑いのグリーンと相変わらず真顔のレッド
「っ2人とも！急に居なくならないでよ…レッドはシロガネヤマに居ないしグリーンは電話繋がらないし…。心配したのよ？！バカ2人！」
2人の無事な姿を見たからか涙がポロポロと零れ落ちてくる
思わずその場にしゃがみ込む
「…もう誰も居なくなってほしくないから……」
消え入りそうな大きさでつぶやいた言葉は2人に届いたようで、
ポン、ポン
暖かい手が頭に乗り落ち着かせるようにリズムを刻みながらその手の主は言う
「大丈夫だ、誰も居なくなったりなんてしねぇよ。なんてったってこの俺様が居るんだからな！安心しろA」
頭の手が離れていき今度は右手を別の暖かい手に握られる
「…僕も居る、ポケモン達も居る。だから…
安心して。絶対に助け出すから」
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作者名：よもぎ | 作成日時：2017年9月17日 19時
