家庭教師はアイドルで…… 【ブラザースコンフリクト】 (ページ26)

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放課後5 ページ26

シンとした雰囲気の中、その雰囲気を破ったのはエレベーターのドアが開く音だった。

「着いたぞ」

少し緊張した面持ちで、兄がポツリと言った。

私はその顔を見てさっきまで少し速めだった心臓が、更に脈拍を速めていくのを感じた。

うぅー……私はあんまり関係ない事だけどなんだか緊張してきた。

兄は緊張した面持ちのまま、知り合いであろう男性に親しげに声をかけていた。

そのまま兄について行くわけにもいかず、私が突っ立っていると声を掛けられた。

「あなた誰？」

綺麗な透き通った声だなぁ、と心の中で感心しつつ後ろを振り向く。

そこには、すごく可愛い女の子が立っていた。

うわぁ、さすがモデルの撮影場所なだけはある。

白いニキビ一つない肌に、ぱっちり二重の瞼、そしてほんのり色付いたぷっくらとした唇。

学校一可愛いとされている荒木さんよりも可愛く、荒木さんには悪いが別格だと感じてしまった。

こんな美少女を目の前になんて言えば良いのかも分からなくなって困っていると……

「そいつ、俺の妹なんです」

と、兄が助け船を出してくれた。

私はナイス！と、心の中で叫んだ。

少しの間、沈黙が流れた。

美少女ちゃんが何も言葉を発さなくなったので、チラリと彼女の顔を盗み見る。

すると、今さっきの彼女よりも何倍も可愛い真っ赤に染まった顔がそこにはあった。