【ウソップ】後で聞こう ページ10
「ぁー……」
大海原をたゆたうサウザンド・サニー号。
その上で、ふらりと覚束無い足取りの女が一人。
私のことである。
船酔いしたわけではない。酒を飲み過ぎてもいない。
単純に、体調を崩したということだ。
チョッパーに診てもらうべきではある。
でもそうすると、みんなに体調不良が知られてしまう。
それは、良くないのである。
優しいみんなに、余計な心配かけたくない。
もうすぐエレジア、かの歌姫ウタに会えると言うのに。
──それを楽しみにしている、男がいるのに。
こんなの、寝てれば治るだろう。
ただ、寝るにしても女部屋にいるとロビンかナミにバレる。
「とりあえず、ひとりに……」
「お、何してんだーA？」
最悪のタイミングである。
目の前には長い鼻。
「ウソップ……いや、別に？」
慌てて居直る。
「エレジアもうすぐかなって眺めてたとこ。
ウソップも楽しみでしょ」
そう問えば、少し興奮気味にウソップは答える。
「そりゃあな！なんたってあのプリンセス・ウタだ！！
しかもあんな良い席取れるなんてよ〜」
チョッパーとウソップは、一際楽しみにしている。
その気持ちに、水を差したくはない。
「……あ、そういや入港前に全員熱計って、高かったら
入れないらしいぜ？」
「えっ」
嘘でしょ。
私が動揺したのを、ウソップは見逃さなかった。
「お前、熱あんな？」
その言葉に、さらに動揺してしまう。
「え、いや」
ウソップはハァ、とわざとらしくため息をついて、
私の腕を自身の肩に回した。
「単純なハッタリに引っかかりやがって、いつも冷静な
Aが心ここに在らずだったら、誰でも気づくだろ」
……そんなに、悪化してたのだろうか。
私を気遣ってゆっくり歩いてくれるウソップ。
行先は医務室だろう。
「あらウソップどうしたの、A怪我？」
ぼーっとする頭に、ナミの声が辛うじて届く。
「いんや、熱あるからチョッパーの所連れてくんだよ。
サンジにも言っといてくれ」
「了解。
それにしてもウソップ、Aのことよく見てるわね」
「はァ！！？な、何言ってんだよ！！
おれはただ、仲間の異変に気づいただけで……！」
ウソップが動揺してる。
なんでだろう。
「はいはい。大きな声出してないで早く行きなさい。
あんたがAのこと大好きなのは皆知ってるんだから」
朦朧とした頭ではわからないから、
後で聞こうと、私はそう心に決めたのだった。
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
