【サボ】それは初恋の ページ8
「……こちらA。
ダンスホールに異常はありません」
定時報告を終える。
「久しぶりだなぁ、A。お前海兵になったのか」
「…………え？」
一息すらも、つけなかった。
海軍本部の副料理長たる私が潜入調査をしているワケ。
まず一つに、ガープ中将が連れてきた人材ということで、
多少腕が立つということ。
二つ、それに伴い周囲から少々やっかみを受けていること。
三つ、海兵の嫌がらせにやり返すほど、肝が据わってること。
そして四つ。私の料理は純粋にとんでもなく美味しいことだ。
つまり、私は今、料理人として潜入している。
何故ならここは海賊の宴。
海賊が支配する国での建国パーティに潜入しているからだ。
「君。この料理は君が？」
「はい、仰る通りですが、いかがいたしましたか？」
「いや、とても美味い。中々の腕だな」
「お褒めに預かり恐縮です。お楽しみいただければ幸いです」
「うむ。見たところ器量も悪くないようだな……
僕の家の専属料理人として雇ってやっても良いくらいだ」
「はは……ご冗談を」
この間、私の感情は"無"だった。
愛人にする魂胆があまりにも見え見えで呆れた。
まぁ、そんなことは置いておかなければならない。
そろそろ定時報告の時間なのだ。
「すみません、お手洗いに」
「おう。ったく、女ってのはめんどくせぇな」
一言多いんだよこのハゲ。
それをおくびにも出さず、誰もいない小部屋に入る。
そこで定時報告をしたのが、運の尽きだった。
「久しぶりだなぁ、A。お前海兵になったのか」
「…………え？」
──聞かれた！大佐への報告を、聞かれた！！
振り向くと、そこには知らない男。
目深に帽子を被っており、その表情は見えない。
それより、どうして名前を。
「……どちら様ですか？確かに私の名はAですが……」
まァ忘れてても無理はないよなぁ、なんて笑う男。
どことない懐かしさを感じる。
「お前には幼馴染の三兄弟がいる。二人は海賊になり、
もう一人はガキの頃に死んじまった」
……どうして、それを。
中将が連れてきたことからエースやルフィと関係があることは
それなりに推測がつく。
でも、もう一人……サボのことは、どうして。
「どうして知ってるんだ、って顔だな。それはな……」
男が帽子を取る。
柔らかな金髪が揺れた。
「……は、」
それは、その顔は。
「綺麗になったな、A」
大人になっていようとも、それは初恋の男の顔だ。
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
