【ゾロ】運が良ければ ページ5
とある島のとある酒場。
そこで、私はある男に出会った。
因縁のある男。
「おにーさん、おひとり？」
「あァ？」
鋭い目付き。緑の短髪。三連ピアスと腰の三振り。
「一杯だけ、付き合ってよ……幸い、今日は非番なの」
私は手のジョッキを掲げる。
その中には、女は好まない強い酒。
その男──ロロノア・ゾロは、ニヤリと笑った。
「モーガンを覚えてる？」
「あ？誰だそりゃ」
覚えていなくてもいい。
私や、リカは絶対に忘れないから。
「あの日、あのドラ息子のペットに襲われそうになったリカを
助けて捕まっちゃった優しい男を、私達は忘れたことないの。
斧手のモーガン……元海軍大佐を倒してくれたことも」
ゴクリと一口酒を飲む。
喉を焼くようなアルコールが心地良い。
「そういや、そんなこともあったな……お前、あの村の出身か」
「んー、ちょっと違うけどまぁそんな感じ。
私、あの日ね、あなたに惚れちゃったのよね」
麦わらの彼もとても素敵だったけど、
あなたの方が、私の目にはよっぽど魅力的に映った。
「改めて、ありがとう。リカを助けてくれて……そして、
私たちをあの男から解き放ってくれて」
あの日伝えたかったことを二年越しに伝える。
「お前……「ぷるるるるるるるるる」
ロロノアの言葉を遮るは、私の懐にいる電伝虫。
「……出なくていいのか」
あんまり出たくないなぁ。
そう思いながらも、電伝虫を取り出す。
その姿形に、ロロノアは大きく目を見開いた。
「こちらA。私、今日は非番なんだけど？」
「ハッ、お休みのところ申し訳ございません少将！
急を要することでして……その島に、
"麦わらの一味"が滞在しているとの情報を……」
早口で捲し立てる部下をはいはいと宥めて、
有耶無耶にして電伝虫を仕舞う。
隣の賞金首を見遣ると、手を刀の柄にかけていた。
「はぁ……言わなかったことは謝るわ。私は海軍少将A。
……それより、早く出港した方がいい。
じきに部下たちの警備は厳重になるわよ」
「テメェ……どういうつもりだ」
捕まえようとしないことを訝しんでいるのだろう。
私はジョッキの中身を飲み干して、早く逃げろと言った。
「私、時間外労働はしない主義なの」
「ヘェ……気に入った」
酒代を払った彼は、店を出る。
「またな、A」
最後に名前を呼ぶなんて、罪深いことをして。
……えぇ、また。
運が良ければ、また、非番の日に逢いましょう。
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
