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阿鼻となる城内。
動揺する、見知った兵士を潜り抜け、最奥の間に向かう。
間取りなど知らないはずもない。
──隣には、いつだって力をくれる君がいる。
ルフィさんが重たい扉を軽々と開ける。
「A！行け！！」
「うんっ！！」
血税を浪費した謁見の間に、二年振りに踏み入った。
「Aっ！！キサマ、ワシを裏切るのか……！！」
血の繋がった男が叫ぶ。……王を護ろうともしないのね。
「この血を呪わない日はなかった。私を、母を、
この国の民を恣に搾取したツケ、払ってもらうわ」
お父さんと呼べたなら、いくらか幸せだっただろうか。
でも、考えたって、そんな過去は存在しない。
私のこの身体に通うのは、愛する母の血だ。
そして、盃を交わした海賊の血だ。
私は、彼らの仲間なのだから。
せめて、因縁は私が自らの手で決着をつける。私の手で、
「ぶっ飛ばしてやる！！！！」
伯父と従兄が秘かに謀叛を企てていたのは知っていた。
二年前に力を貸せず、逃げてしまったのは……私の弱さだ。
この二年間、堪え続けてくれた彼らには感謝しきれない。
「A！」
「ルフィさん！ありがとう、私に勇気をくれて」
次期王になる伯父と従兄に挨拶をして、
私は母の、これまで犠牲になった民の墓地に来ていた。
「当たり前だ、お前はおれの仲間なんだから！！
……この墓、お前の母ちゃんのか？」
「うん。お別れを言いに来たの」
明日、私は彼らとともに故郷を発つ。
改めて、麦わらの一味として。
お母さん。私ね、大切な人ができたよ。
底抜けに明るくて、強くて、優しい人なの。
麦わら帽子がよく似合う、私の太陽みたいな人。
「……Aの母ちゃん！！コイツはおれがもらう！！
ぜってぇ守るから、安心しろ！！！！」
無自覚にこんなことを言ってしまう、ずるい人だけど。
私、この人の隣なら、幸せになれる気がするの。
やわらかい風が彼の麦わら帽子を揺らす。
「ルフィさん！」
「ん？」
今なら、ううん、今だから、伝えたいことがある。
「私、ルフィさんが、麦わらの一味がだいすき。
ずっと一緒にいさせてね！」
きっと、初めて見せた、心からの笑顔だと思う。
ずっと胸に引っかかりがあり、心から笑えなかったから。
上手く笑えているかな。伝わるかな。
この気持ちが、嘘偽りのない本心だってこと。
「おう！！当たり前だろ！！」
……伝わっているみたいだ。
ニカッと笑うルフィさんはやっぱり、私の太陽だ。
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
