【ハイキュー】毎日を、君と【短編集】 (ページ7)

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ストレートに、アタック【岩泉】ページ7

キーンコーンカーンコーン…

授業の終わる鐘の音。

ざわざわしだす教室と廊下。

使い慣れたリュックサックに教科書を詰め込んで、教室を飛び出す。

「こらー！！走るなーっ！！」

「すいませーん！」

謝りながらも、足の旋回を緩めはしない。

全力疾走で、ただひたすらに目的地へ向かう。

向かう先は＿＿＿＿

「キャーッ、及川先パァーイ！！」

バレー部が練習している体育館。

主将・及川徹さんの応援をする女子軍を横目に、私は或る人を探す。

及川さんなんて目じゃない。

私は、

「岩ちゃんっ」

「オオッ！」

ドガッ！！ってド派手な音を響かせるスパイク音。

「キャアアッナイスキー！！今日もカッコいいです岩泉先パァ――――イっ！！！！」

我らが男子バレー部のエース様、岩泉一先輩。

彼の大ファン、いえ愛し隊(勝手に発足)なのです。

そうなった経緯は面倒臭いので端折るけど((取り敢えず岩泉先輩の事が大好きなのです。

だから私は、及川さんのファンに負けない声援を送る。

へっ、あんな集団じゃないと想いを伝えられないひ弱に負けてられっか！！←

「ちょっと！あたしたちの声が及川さんに聞こえないじゃないっ！」

あー来た。

そう言う睨み、私には効きませーん。

「はァ？そんなの知った事じゃないけど。聴いてもらいたいならもっと声張り上げればいいじゃん」

ていうか、と続ける。

「そんなにつるんでて私一人の声に負けるなら、アンタ達の愛はそこまでじゃん？」

「はあ！！？ムカつくんですけど！」なんて罵声を浴びせられる。

あーうるさうるさ。

アンタ達の相手なんか１秒たりとも無いんですけど。

と、そこに。

「はァーい、そこまでだよー」

集団の姿が何かによって遮られた。

長身、セットされた茶髪。

「おっ及川先輩！」

彼女らがご執心の及川さんだ。

「応援は嬉しいけど、仲よくしててね？」

にっこり笑顔で及川さんが言うと、女子軍は骨を抜かれたようにおとなしくなった。

まあ、目の奥の憎しみはバッチリ見えてますけどね。

「さて、君」

及川さんはくるりと私の方を向いた。

何でや。

「何でそんなに岩ちゃんの事が好きなの？」

「……何故及川先輩に言わなくてはいけないんデスカ」

出来るだけ不機嫌そうな顔をする。

及川先輩と喋るとまた女子に睨まれるんですけど。

「そりゃ、俺一応岩ちゃんの相棒だし？それに、岩ちゃんも疑問感じてるみたいだから」

岩泉先輩が？

……私もちょろいな。

「あれは＿＿」