たとえ罪に呑まれても２ (ページ4)

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「なんだあれー。」

ふっかは照くんが出ていったお店の扉を見つめそう呟いた。

「なんか、ごめんね」
「いや、Aのせいじゃないだろ。」

笑いながら私を見る。

「てかさAの旦那になる奴ってどんな奴なの？」
「んー普通の人」
「うわ何その全然伝わらないやつ」
「普通の会社員だよ。年は私の二つ上で職場で知り合ったの。」

「おー確かに普通だな。」

でしょ、と答える。
氷が熔けて薄くなったお酒を飲む。

普通なんだ。普通。
傍から見れば普通で普通に幸せになる人生。
私が望んでいたもの。

「アレ？A、結婚してんの？」

いつの間にかハルとのダーツを終えてお酒が回ってるのかテンションの高い翔太が私の隣に座った。

「婚約したの。」
「へぇーおめでたいな」
「あはは、ありがとう」

「あれ？照は？」

そこで、照くんが居ないことに気が付いたのか翔太がふっかに尋ねる。

「あー…帰った」
「なんだアイツ。俺に黙って帰ったのか！」
「お前酔っ払ってる時いつも勝手に照帰ってるぞ」

「薄情者たな。」

「あは、面白いね翔太くん。」

私の左隣に座ったハルが楽しそうに言う。
高校の頃に戻ったみたいだ。
ふっかと、翔太のやり取りに笑って。

一つ年下なのに落ち着いた照くんが居て。

それを、またって思う私は…貪欲ですか？

「翔太、私…照くんの連絡先教えて欲しいな」
「お？いいよーいいよー」

ハルが私を心配？違う、眉を顰めて見てたのも分かっていた。

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