透明オルタナティブ弐【呪術廻戦】

体育祭なんて ページ5

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「体育祭？」

「そう！うちの学校は早めにやるんだけど、リレーの選手とか決めたくて。今日走れる？」





1限目の終わり。


次の授業の用意をして、トイレでこっそり五条先生に報告しようとした所。



近々体育祭があるらしく、クラスメイトに話しかけられる。




体育祭、かぁ。


あんまりいい思い出はないな。




運動は得意な方じゃなかったし


目立たないようにって必死になってたから。



特別な思い出なんて何一つとしてない。





「走れるけど……私、速くないよ？」

「いーのいーの！うちのクラスみんな遅いから、ドベ争い！」





という事で、放課後だ。


リレーの選手決めの為に運動場集合。




体育祭までに呪霊が居なくなったら参加出来ないんじゃないか、と思ったが

五条先生に体育祭までは居なよ〜と返された。



文字だけの会話だったけど、あの爽やかな笑顔で適当な声が浮かぶ。




前の人が走り終わる。



真希とか速いんだろうなぁ。


棘くんも速いって言ってたっけ？

パンダくんは見た目はあれだけど運動神経凄いから。



五条先生は…あの人は何でも出来るもんな。





「桔梗さん、全力でねー！」





なんだか、注目されている気がする。


初めて走るからだろうか。

そういえば、体育のバスケでも、よくいろんな人と目が合った気がした。



注目されている、と思うとだんだんそれしか考えれなくなる。



いちについてー、と怠そうな声が聞こえる。




……もうどうにでもなれっ！！




割り切った私は


バンッ、という音と共に駆け出した。






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「3位かー、そんなに遅くないじゃん」





結果、3位。


何とも言い難い3位。


喜びも悲しみも出来ない3位。




ちなみに1位の人は圧倒的だった。




後にこの3位という順位は五条先生にバカにされた。


中途半端すぎる、普通すぎるでしょーのバカにした笑いだった。





「3位だからリレー選手決定だね。頑張ろう！」





1位と2位の子に肩を叩かれる。


あまりの強さに少しびっくりした。



リレーかぁ。


初めて出る気がする。



何となく、失敗したときにみんなに迷惑がかかりそうなものは避けてきたから。

リレーなんて、その代表でもある。




体育祭というものに初めて関わる。


その事実に胸がいっぱいになる。





母さん、父さん。


私、結構楽しいです。




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