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「……い…おーい!」
遠くからの声がやっと聞こえたかのように、ゆっくりと意識が戻る。
ぼやけていた世界が鮮明になっていく。
視界には、青空と五条さん。
そう、青空と五条さん……
五条さん!?
勢いよく起き上がる。
突然起き上がったからか、頭がズキズキと痛む。
頭だけじゃない。
体のあちこちも痛い。
でも、それより。
どうして五条さんが何でここにいるのか。
辺りには、呪霊もいない。
私の意識がここにあるということは、柚姫はどうなったのか。
と言うか、私さっき五条さんの膝の上で寝てた…?
「呪霊は…」
「それは柚姫…Aの体に入った柚姫が祓ったよ。いやぁ、強かったね!」
アッパレ!みたいな、脳天気な明るい声。
…見てたんだ。
五条さんの後ろの方に見える人の影。
私を見ては、下を向いて。
気まずそうな雰囲気が感じ取れる。
多分、あれはお母様だろう。
「行ってきたら?柚姫と最後に話していたのは君のお母さんだからね」
僕はここで待ってるよ、なんて言う。
まだ震えている足だけど、しっかりと地を踏む。
正直、怖い。
約束を破った。
柚姫を呼び起こした。
長年のお母様との溝を気にせずに飛び越えられる勇気はない。
「お母様…」
私の声に反応する。
私も、お母様も生きている。
お母様の瞳に私の姿が映る。
今のお母様には、私がどのように見えているんだろう。
「…貴方はいつか、家族について聞いてくると思ってた」
「今まで、縛っててごめんなさい」
生暖かいものが頬を伝っていく。
呪縛から解き放たれたように。
呪縛から解き放つように。
それは地へと流されていく。
「A。私との約束を破った罰を与えます」
「貴方は1度柚姫を呼び起こした。次はいつ暴走するか分からない。責任を持って、柚姫を管理しなさい」
お母様もいつの間にか泣いていて。
私に対して嫌悪以外の感情を向けられていることに喜びを感じる。
認めてくれた訳ではない。
けれど、これで私も、お母様も、前へと進む。
「五条さん、私…」
目隠し越しに、五条さんの目を真っ直ぐ見つめる。
五条さんはニヤッと笑うと、私の腕に巻き付いていた黒い紐を取り、
私のボサボサの髪を1つにまとめる。
「ようこそ、呪術高専へ」
「やっぱ、眼鏡ない方が可愛いね」
高専生活が、スタートする。
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作者名:kyon x他2人 | 作成日時:2020年11月7日 15時