透明オルタナティブ【呪術廻戦】 (ページ17)

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「ずっと使われていなかった、にしては綺麗な神社ね〜」

歩みを進めると、見えて来た神社。

綺麗な赤だった。

ずっと昔からあって、10年も使われていないはずなのに。

真っ赤な鳥居。真っ赤な本殿。

異質な存在のはずなのに、森の中に溶け込んでいる。

景色の一部として存在している。

綺麗、と息を忘れてしまう程だった。

自然の神秘と合わさって、異空間みたいだ。

入ろうと足を進めるが、進まない。

いや、正確には進めなかった。

怖いんだ。

真実を知りたかったはずなのに。

これから知ろうとするのが怖い。

踏み出せない。過去を見れない。

もう目の前にあるのに。

過去から目を背けたくなっている。

足が震えて、呼吸が荒くなる。

トンっ。

背中に温もりを感じる。

この場には五条さんしか居ない。

軽く、五条さんに背中を押されたんだ。

そうだ、一歩だ。まずは一歩。

「…っお邪魔します」

本殿の中は、

薄暗くて

気味悪くて

懐かしかった。

本能が感じている。

ただいま、って。

本殿に入り、まず目に入るのは刀と弓。

その背にある絵。

絵の下には、夜叉・柚姫の文字。

「これが柚姫、ですか」

「みたいだね。あれ、こんなに美人だっけ？」

変な所に食い付き、絵をまじまじと見る五条さんは放っておいて、私は刀と弓を見る。

この2つで柚希をこの神社に封印しようとしたらしい。

試しに刀を手に取る。

「っおも」

刀なんて初めて持ったけど、想像以上に重かった。

真希さんはいつもこういうのを振り回してるんだよな。

「…なんで神社に封印されたはずの柚姫がAの体に乗り移ったと思う？」

「なんでって…」

確かに、なんでだろう。

呪術のことはわからないけど、おかしいこと、だよね。

「偶然か、必然か。誰かが封印を解いたのか、封印の力が弱まったのかもわからない。

Aを殺そうと企み、柚姫をAの体まで移動させたかもしれないね」

「それなら、私は誰に殺意を向けられているんですか」

「さぁ？プロポーズ断ったとか？」

「まだ子供です…」

真面目なのかそうでないのか分からない五条さんの発言にため息が出そうになる。

けど、ここまでしてもらってる。

文句はない。

「あ〜、そう言えば」

「Aの体の中にはもう柚姫は居ないよ」

問題発言、入りました。

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