そんな気がして ページ16
ほんまはいたかったけど、ぼくはだいじょうぶやって、あのひとにおしえようとしたら、ぼくのとなりにたおれてきた。
じょうずにいきができんかった。だんだんくるしくなってきたとき、ゆかに、ちがながれてきた。
なんで、ちがながれてきたんやろ。ぼくはだいじょうぶなのに。
せやけど、まっかなちをみてたら、おっきいうちでされたこととか、たかいたてもんでみたんをおもいだした。そしたら、きゅうにこわなってきた。
こわいひとはおらへんくなったけど、まえのところみたいに、なぐられたり、けられたりするみたいで、せなかがふるえてきてしもた。
めがさめたら、ゆうくんがいた。
いつもみたいにぼくのあたまをなでてくれて、「おはよう」っていってくれた。
ここにおってええいわれて、みんなやさしくしてくれて、ほんまにそうしたかった。
あったかいおふとんでねれて、みんながやさしくしてくれるところにおりたい。
せやけど、ぼくはこんなところにおったらあかん。
ぼくにやさしくしてくれたひとはみんなどっかにいってしもた。
ぼくのめのまえで、ぱあんってされたひともいたし、ちがいっぱいでて、むしがまわりにとんどったひともおった。
ぼくはここにおったらあかん。
せやから、ばいばいせな。
じゃあね、ゆうくん。
やさしくしてくれたみんなも、
やっとあえたあのひとも、ばいばい。
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作者名:柳 | 作成日時:2021年3月2日 17時