いまをいきる ページ8
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___流れてくる、限りなく透き通った水のような
涙が出そうなほど綺麗な声が、私の鼓膜をびり、
と震わせた
「っ、」
あまりの衝撃に言葉も出ない
初めて聞いたはずの声、なのに
どうしてこんなにも心が締め付けられるのだろう
どうしてこんなにも安心するのだろう
画面に映る6人の影
重なる声色は苺のように甘酸っぱくて
その中でも一際
ある一人の声に釘付けになった
「___ころん、くん」
自然と口が動いて
そう、ぽつりと呟いていた
記憶にないはずの、彼の名を 。
その瞬間、涙が溢れてとまらなくなる
嗚呼
私、この人を、ころんくん を知っているんだ
心にぽっかりと空いていた穴が塞がれていくような
気がした
真っ白な布団に一粒一粒と
涙が染みを作っていく
...少しばかりの、既視感
真っ暗なところでペンライトを握り締め、
服に涙をこぼす記憶が脳裏を微かに過る
ふ、と笑みをこぼした
そっか
私はきっと彼のことを
何度でも思い出すんだ
そして
何度でも好きになる
何があっても
心だけは覚えてる
「みんなー!盛り上がってるーー!?」
嗚呼
これはきっと、
人生で一番最高の瞬間
__end__
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作者名:月餅 | 作成日時:2021年5月25日 22時