最高の瞬間【青】 (ページ5)

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だからただ、君だけをページ5

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＿＿気付いたら、私は海辺にいた

「あれ、？」

足を動かすと、びしゃっと水が跳ねて

生温いその海水が頬に飛び散った

近くには自分が持っていたであろうバッグが無造作
に投げ捨ててあって

ポケットを探れば鍵が小さく音を立てた

「私、なにしてたんだっけ。」

何故だか涙が溢れた

苦しくなって、その場に座り込む

＿＿ふと、手首がちく、と少しだけ痛んだ

驚いて見れば、
誰かに強く握られた様な赤い跡が残っていて

ぎょっ、と目を見開く

なにこれ ...

「...駄目だ、思い出せない」

でも

何だかこわくて体が震える

きっと走ってきたんだろう

濡れてるのは海水のせいじゃない、
汗でじっとりとしていて気持ち悪い

「...ころんくん」

真っ青の綺麗な海を視界にいれれば

口が勝手にそう呟いていた

嗚呼

早く帰らなきゃ

今はただ、どうしようもなく

ころんくんの声を聞きたい

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