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僕は最低だ 。
彼女を利用して、楽になりたかったんだと気付いた 。
彼女の様に明るくなれば残りの人生も笑って終われると思った
彼女の人間らしく汚い部分を見付けられたら自分と同じ気持ち
を持った人間がいることで心が軽くなると思ったんだ
__でも結局、彼女は
僕とは天と地程違う人間だったじゃないか
「...僕は、あなたがどうしても憎い」
ずっと彼女には良い顔をしていたつもりだ
密かに向けていた汚い感情を悟られないよう常に猫を
被って本音を隠していた
自分で言うのもなんだが、彼女はそんな僕にそれなりの好意
を抱いてくれていたと思うし、絶対にバレていないという
自信もあった 。
でも、嗚呼
__やってしまった
心の中でそう気付いてももう止まらなくなっていた
勿論彼女は何も悪いことはしていない
寧ろ良いことをしすぎたんだ 。
自業自得だ、そんなんだから僕みたいな心の醜い奴にこんな
理不尽を受けるんだ
これで僕がどれだけ汚い人間か分かったなら
さっさと失望でも何でもして、
二度と僕の前に現れないでくれ
「そう、ずっと貴女が気に食わなかったんです 。
全部全部目障りです、消えてください」
彼女の方を振り向いて睨み付けようとした時だった
___思わず目を疑った
視界に映ったのは想像していた表情とはまるで違う...
そう、それは正に"無"
...何で 。
てっきり泣いたり、怯えたりするかと思ったのに 。
「っ...、聞いてました?邪魔だって言ってるんですけど 。
さっさとどこか行ってください」
彼女はどんなに罵声を浴びせても静かに耳を傾けていた
驚くでもなく、怯えるでもなく、泣くでもなく 。
ただ静かにその場で僕の目をじっと見つめてくる 。
「...何なんですか 。ねぇ、何か言ったらどうなんです」
「......るぅとくんは可哀想だね」
「は?」
何言ってるんだこいつ 。
長い沈黙を貫いていた彼女がやっと何か言ったと思ったら
何だ馬鹿にしてるのか 。
ぴきりと額に青筋が立つ程の怒りを感じる
僕が可哀想?
な訳ない 。別に同情なんてして欲しくないし、
勝手に決めつけるな
「勝手な事言わないでくれます?」
「勝手じゃない、可哀想だよ」
「だから、僕は可哀想なんかじゃない!!」
声を荒げて反論すれば
彼女にぐいと頬を掴まれる
「...あのさ、何か勘違いしてない?」
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水森千紗 - 月餅さん» こちらこそです〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!続き!頑張ってください!!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 1f7aa92db8 (このIDを非表示/違反報告)
月餅(プロフ) - 水森千紗さん» いえいえ(*´-`) これからも本作品をよろしくお願いします (( (_ _*) (2021年9月25日 23時) (レス) id: f3182ca5ac (このIDを非表示/違反報告)
水森千紗 - 夜遅くになってしまって申し訳ないです・・・。でも、これからも見ていかせてください!!!! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 1f7aa92db8 (このIDを非表示/違反報告)
月餅(プロフ) - 水森千紗さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(*´∇`*) (2021年9月24日 18時) (レス) id: f3182ca5ac (このIDを非表示/違反報告)
水森千紗 - 初コメ失礼します。すごく心に刺さる作品で、素敵だと思います!!続き楽しみです!! (2021年9月23日 21時) (レス) @page5 id: 1f7aa92db8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月餅 | 作成日時:2021年9月15日 19時