虎視眈々【 青/桃 】

15.言えなかった ページ18

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「あ、ありがとうございます 。桃瀬先輩が来てくれたお陰です...」


「あははっ、だからお礼はいいって 。あぁ、そうださっきまで先生達居たんだけど、色々忙しいらしくて取り敢えず帰ったよ 。また様子見に来るってさ」


「今日のことがきっかけで女子達がAにしてきたこと先生達にも漸くバレだしたから、もう大丈夫 。ここからは先生がなんとかしてくれるよ 。」



ころんくんは優しく微笑んで私の手を握った 。

私は、その笑顔で安心...


したのも束の間、あることに気付き
一瞬で自分の顔色が悪くなるのを感じた 。


...そ、っか 。先生、に 。

...どうしよう


どくりと胸が鳴る

嫌な汗が背中を伝いだす

桃瀬先輩がじっ、と此方を見つめてきた



「Aちゃんさ、聞いたんだけど 先生にいじめのこと今まで言い出せなかったんだよね ？ ころんにも先生達にだけは言うなって口止めしてたんでしょ？」


「...うん 。迷惑、かけたくなくて」



相談したら先生は必ず親に知らせてしまう 。

やんわりとしか言ってなかったとしても、誰でも察しがついてしまうものだ 。

中学校のとき、そうだった 。

どうしても我慢出来なくて、先生に相談した 。


"絶対秘密" "親にも言わないで"


そう言ったのに 。

結果、両親に迷惑をかけてしまった 。

ただでさえ仕事等で忙しい両親にだけは知られたくなかったのに

負担を少しでもかけさせたくなかったのに


だから、言えなかった 。


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