虎視眈々【 青/桃 】

16.頼ろう？ ページ19

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「僕もAがいじめのせいでもう辛い思いしてほしくないから、傷付けられたくないから、協力だってなんだってするよ 。でも出来ることは限られる 。僕が止めたって火に油を注ぐだけなときもある」



"今回みたいに僕が関係してたときなんかは..."
と、ころんくんは眉を下げ申し訳なさそうに言った 。



「だから、大人に頼ることも大事だよって 。何も心配することない 。大丈夫だから、もう少し周りに頼りなよ、Aちゃん 。」


「そうそう」



そう、か 。

もう、いいんだ...



「私...」



もう、私我慢しなくていいんだ



「ありがとう」



私は笑った 。

じんわりと浮かんできた涙で
視界が歪んで、今にも溢れだしそうだけど

精一杯の笑顔を浮かべた 。

頬が痛くなる程 、笑った 。


目の前の二人も笑ってくれた

「嬉し泣き？」

なんて、少しからかいながら 。


いつの間にか
心の靄がすっきりと晴れて


もう、大丈夫だって

そう、思えた


＊＊＊



「あ、そういえば聞いてよAちゃん。ころんさぁ、Aが目覚めるまでずっとぼーっとして心ここにあらずって感じでまじで酷かったんだよ」


「は？そんなことないし」


「いや、飲み物買ってくるって言ったのに飲み物自販機から取り出さずに置いてきて、しかもお茶と苺ミルク間違えて買ってきた奴はやべぇだろ 。何故か6本も買ってくるしな」


「わ、わざとだわ！！さとみくんがずっと黙ってるから少しでも元気づけようと思って！」


「はいはい、じゃあそういうことにしとくかー」


「違うからねA！！」


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