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「やれやれ、市民を守るべき存在のおまわりさんがその対象を傷つけるなんて世も末だね。そういう悪事は
気付けば、神威さんは私と向き直り困ったように眉尻を下げていた。
「利き手どっちだっけ？」
「…利き手？」
先の台詞となんら関係のなさそうな質問をされ、反射的に利き手を動かせば「こっちか」と呟いた神威さんに、利き手とは反対の手を取られた。
神威さんの指先が手の甲を滑るように撫でながら、するりと手首へと辿り着く。…く、くすぐったい上に恥ずかしい。 急に手で遊ばれはじめて胸の奥がムズムズする。
気持ちが落ち着かないまま、神威さんを見上げれば蒼い瞳は閉じられ、ニッコリと笑みを張り付けていた。
「えい」
次の瞬間 ゴキリ、と嫌な音が鳴った。
「───っ！！」
「あり、痛かった？」
聴きなれない音の次に体が感じたのは強烈な痛み。
痛覚が壊れたのではと思う程のそれに思考が暫くの間停止した。立っている事すらままならず、すがり付くように神威さんの服を掴む。
「大丈夫、折れただけだよ」
「……っ、 ぉ、…れ……？」
軽いパニックの中 神威さんの言葉を拾う。
おれた、…折れた？ 言葉の意味をそのまま受け取り、痛みを主張する箇所を探し当て、見てみると神威さんに遊ばれていた方の手がぶらりと垂れ下がっていた。
自分の身に何が起こったのか理解できたのは、それから少ししてからのこと。
───布に擦れたり、少し動かしただけで悲鳴を上げるそこは神威さんの手によって折られてしまっていた。
「……っ、 ぃ…ッ」
「おっと。…大袈裟だなぁ、そんなに痛い？
鎮痛剤打っといた方がいいかな」
いっそ気絶してた方が楽かも知れない。
頭を神威さんの胸板に預け、強く目を瞑る。たったそれだけでこの痛みから逃れられることはできないけれど、何かに意識を集中していないと辛くてどうにかなりそうだった。
「それくらいで死にはしないから安心しなよ」
神威さん基準のとんでもないそれに突っ込みを入れたいのに上手く喋ることができない。
声を上げる代わりに止めどなく流れる涙で神威さんの服を濡らせば「痛くない、痛くない」……と、柔らかい口調でなだめられながら、ポンポンと背中を撫でられた。死ぬほど痛くて怒りたいのにその行動のせいで複雑な気分になっていく。
「おい、悪党」
沖田くんが神威さんへ声を掛けた。
…近くで聞いているはずなのに、二人の間で行き交う会話は町の雑音に混じって私の頭に入ってくることはなかった。
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おいも(プロフ) - えりぃさん» コメントを頂いてからお時間があいてしまいすみません（ ; ; ）少しでも神威さんの良さをお借りできたら、と思っていたのでそう言って頂けてとっても嬉しいです(´ `*)これからも楽しんでもらえるように精進致します…！ (2020年9月16日 0時) (
レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
えりぃ(プロフ) - とっても面白いです！神威がカッコ良すぎます！続きたのしみにしています(ω) (2020年9月9日 10時) (レス) id: 0b16f52b12 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - みさまるさん» 引き続き楽しんで頂けていてよかったです(´ω`*) 更新の度になんて嬉しいお言葉まで…（ ; ; ）疲れがｽｽｽｯと飛んでいきました…！ありがとうございます(*´ `*)三(*´ `*) (2020年8月16日 21時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
みさまる - 更新のたびに楽しく読ませてもらっています！そして最近の展開にドキドキ(* >ω<)ヤバい〜面白いです！更新ありがとうございます！！！ (2020年8月15日 21時) (レス) id: fa0a68f749 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - しおりさん» ほほ本当ですか…！ありがとうございます！私もコメントを頂けてドキドキしてしまいました…！(*´ω`)少しでも一日の活力の足しになっていましたら幸いです(´ `*) (2020年8月5日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいも | 作成日時：2020年5月6日 18時
