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「……というのは如何でしょうか…!
試用期間中はお給料は入りません。ただその間 私が他所で働いても大丈夫かどうか判断していただきたいんです」
お願いします、と頭を下げる。
暫く沈黙が続く中 神楽ちゃんから「ひゃほーい!ハンバーグが食べたいアル!」と歓喜の声が上がるもそれを咎めるように銀さんが叱責した。
しかしマイペースは血筋のようで星海坊主さんからは「お嬢さん、ハンバーグ作れる?」と訊かれ、神威さんにもよく作ってたなぁと思い出しながら頷く。
「どいつもこいつも勝手に話進めやがって…」
会った時よりも一層死んだ魚のような目に近くなった銀さんが片手を差し出してきた。…飴ちゃんでもほしいのだろうか。常備している飴玉をポーチから取り出そうと弄る。
「どうぞ、ヴェ●タースオリジナルです。
これで私たち特別な関係ですね…!」
「あ、どうも。……じゃねえええ!!
金だよ!金!通帳見せてみろ!後 銀さんはヴェ●タースオリジナルよりいちごミルクとかの方が好きです!」
「今度仕入れておきます! あ、これ通帳です」
「言っとくがうちの神楽の食欲はやべーからな。まじで金飛んでくからな、ナメんなよ」
私から通帳を受け取ると銀さんはペラペラとページをめくっていく。
あの、すみません銀さん。うちの神楽発言から星海坊主さんの圧が凄いんですが。どうにかなりませんか、今にも戦争になりそうです。
「…へ、へえぇ。ふーん、持ってるモン持ってる訳ね。へえぇ」
「銀ちゃん見せて見せて!」
「あ、神楽ちゃん!あんまり人様のもの見たら駄目──…ちょっと銀さん。銀さんの何百倍もありますよ」
「すごいアル!銀ちゃんのはいつも0一つしかないのにコレにはたくさん書いてあるネ!」
ヤギみたいに震えた声の銀さんは我に返ると大袈裟に喜ぶ二人の頭をぺちん、ぺちんと叩いた。
「テメーら人様の通帳様々を勝手に覗き見るんじゃありません」
「それでどうなんだ」
「あぁ、…ゴホン。 まァギリギリのギリギリだが合格だ。 仮採用ってことでよろしく頼むわ」
「! ほっ本当ですか! わーい!ありがとうございます!坂田さん大好きです!」
優しい世界…! 店長、優しい人たちに助けられて漸く腰を据えられそうです!
星海坊主さんにもお礼を言えば「うちの神楽ちゃんにとびっきり美味いやつ作ってやってくれればそれでいい。うちの神楽ちゃんに」とちょっと引くくらいアピールされた。
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おいも(プロフ) - 紫姫さん» 最後までお読みくださりありがとうございます🐰💓 トリップにも理由があるのかも、と考えた末辿り着いた場所がちょっとしたホラーになってしまいました((🙊)) 不完全燃焼気味のラストでしたが少しでも楽しめていただけていたら幸いです🙇 (2021年9月21日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まさかの結末でごっさ驚きました!!そして少し怖かったです(笑) (2021年9月19日 18時) (レス) id: eab8838b37 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - カビキラーさん» 最後までお読みくださりありがとうございます(*´ω`) 以前から少し変わったお話を書いてみたかったので驚いてもらえて嬉しいです(∩´∀`)∩ トリップは色んなENDになれる楽しさがあるのでこの後二人が結ばれる世界線もあるかもです…! (2020年2月17日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー - 神威と結ばれるのかなと思ってたのでオチで驚きました!軽く怖っ!って思いました笑 (2020年2月13日 19時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - 氷華さん» わー!ありがとうございます…! 二人にはまた巡り会ってもらいたいので、もし続編を書く機会があればハッピーエンドにしてみたいです!(´ω`)! (2019年12月26日 19時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年10月16日 19時