風邪気味少女と万事屋一家+α ページ17
神威さんと遭ってしまったことが頭から離れずあれから夜も満足に眠れない日々が続き、情けない事に風邪を引いてしまった。
おでこに熱冷ましシートを装備して首まで布団を被り、ゲホゴホと咳き込む私の横に胡座をかいた銀さんが呆れた視線を向けてくる。
「知ってっか? 不審者が彷徨いてる話」
「…それ私が教えた話ですよ、坂田さん…」
「そうだっけか」
呼吸をする度にヒュ、ヒュ…と音が漏れる。
見るからに体調の悪い人に不審者の話題振らないでください…。目を瞑り、これ以上話しかけないでくださいオーラを出す。
時計の針が時間を刻む音は聴こえるのに人が出ていく音はしない。
「なぁ、約束覚えてるか」
「…約束……、二年後にジャボンティ諸島でお仕事紹介してくださるっていう…」
「そのネタを掘り起こすんじゃありません。
銀さんそれで怒られってから!各方面から怒られてっから!!」
「ネバーランド…」
「約束ついてりゃ何でもいいと思ってる???」
つーかなんで知ってんだ!?と荒らげられた声に耳を塞ぐ。お薬を買いに行ってくれている新八くん、神楽ちゃん早く帰ってきて…!
「はぁ…ったく、話逸らしやがって」
「いえ、あの、もうほんと話す気力ないのでそっとしてもらえませんか…」
「なら全部ゲロってから寝るこった」
「吐き気は別に」
「そっちのゲロじゃねえ」
銀さんにしては珍しく、死んだ魚のような目とは不似合いな真面目くさった顔。言いたいことも聞きたいこともなんとなく察しがついている。神威さんと遭ったことが耳に入ったのだろう。
普段から隠し事が得意でないのは自覚しているのでこれ以上誤魔化しはきかなさそうだ。
一つ 重い息を吐き、天井を仰ぐ。
怒られるかなぁ、追い出されるかなぁと熱のせいで弱気の波が押し寄せる。先に黙っていたことの謝りを入れてから神威さんが私を探しに地球へ訪れていることを話した。
「…なるほどな。 これで漸く腑に落ちた」
口を挟まず、話を黙って聞いていた銀さんへ顔を横に傾けると熱さで効力を失った熱冷ましシートは剥がれ落ちていった。
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おいも(プロフ) - 紫姫さん» 最後までお読みくださりありがとうございます🐰💓 トリップにも理由があるのかも、と考えた末辿り着いた場所がちょっとしたホラーになってしまいました((🙊)) 不完全燃焼気味のラストでしたが少しでも楽しめていただけていたら幸いです🙇 (2021年9月21日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まさかの結末でごっさ驚きました!!そして少し怖かったです(笑) (2021年9月19日 18時) (レス) id: eab8838b37 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - カビキラーさん» 最後までお読みくださりありがとうございます(*´ω`) 以前から少し変わったお話を書いてみたかったので驚いてもらえて嬉しいです(∩´∀`)∩ トリップは色んなENDになれる楽しさがあるのでこの後二人が結ばれる世界線もあるかもです…! (2020年2月17日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー - 神威と結ばれるのかなと思ってたのでオチで驚きました!軽く怖っ!って思いました笑 (2020年2月13日 19時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - 氷華さん» わー!ありがとうございます…! 二人にはまた巡り会ってもらいたいので、もし続編を書く機会があればハッピーエンドにしてみたいです!(´ω`)! (2019年12月26日 19時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年10月16日 19時