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「…団長、そろそろ離してやれ」

天の声ならぬ阿伏兎さんの声にほんの一瞬胃痛が和らいだ。
小さな子供をあやすように、私の頭に手を置くと私を解放するよう神威さんの説得に入った。 明日のご飯 阿伏兎さんの分にだけ愛情込めておきますね…!

「ん〜。意外と抱き心地いいんだよね、これ」

返事とは言えない返事を返された神威さんは、面白可笑しく笑って言うと阿伏兎さんの手を埃を振り払うようにして退かし、空いた私の頭に顎を乗せた。

これが少女マンガの世界なら周りに華やかな花が舞っているはずなのに、残念な事に私の周りにはドクロマークしか漂っていない。

「お、お話のところ大変申し訳ないのですが、私そろそろ部屋に戻りたく…!」

「なんだ、もう寝るの?」

「はい。明日 朝から仕込みがあるので…」

「そっか。なら仕方ないね、行こうか」

漸く神威さんから解放されたとホッとしたのも束の間。今度は肩に担がれた。
いやいやいや、どちらに?どちらに向かわれるんですか。ここで解散の流れじゃないんですか…!

「待て待て待て。
団長、どこ連れて行く気だ」

「え?俺の部屋だけど」

当たり前だとばかりに答えられ、阿伏兎さんの目が呆れて半目になっていく。

「流石に年頃の男女が夜一緒すんのはマズいだろ、団長」

「俺達は海賊だよ、そんな常識関係ない。
急に変なこと言い出して…頭でも打った?」

笑顔で毒を吐く神威さんに阿伏兎さんは何を言っても無駄だと早々に諦めると「勝手にしろ」と溜息をついた。
諦めないでください、諦めたらそこで試合終了です。

「団長さん!私 自分の部屋じゃないと眠れなくて!」

「じゃあアンタの部屋でいいよ」

あ、すみません阿伏兎さん。偉そうなこと言って本当にすみませんでした。心ボッキリいきました、チューペットの如く折れました。

「安心しなよ。優しくするから」

「すみません、有り金全部出しますのでデリバリーなプロ呼びましょう」

「プロ?さっきから何を………ああ、そういうことか」

クスクス、漏れる笑い声。
私の腰を両手で掴むと神威さんは自分の前に降ろした。
こ、交渉成立…!今日から交渉人真下Aと名乗ってもいいかもしれない…!




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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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