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(side A)
たまたま通り掛かったロビー。
団員さん達が集まって何かやっているのが気になり、興味本位で近寄って見るとその中に神威さんがいらっしゃった。思わず傍にいた阿伏兎さんに
「何かあったんですか?」
そう 尋ねるも粉砕された機械の部品と神威さんの組み合わせに、神威さんが何かやらかしたのでは、とピンっときた。
某小学生探偵並に問題の中心にいることの多い神威さんに今見つかれば、巻き込まれかねない。居ることがバレていないうちに早く部屋に戻らないと…!
「待った」
待ちたくないです。
心の中で叫びながら首を横に向けると満面の笑みの神威さんがそこにいた。いい所に来た、と話を進める神威さんに胃がキリキリ痛む。逃げるコマンドを連打しても逃げられない強敵を前にした瀕死の勇者の気持ちがめちゃくちゃわかる。
一人ではどうにもできないと踏んで阿伏兎さんにSOSの視線を送る。助けてください阿伏兎さん…!
「A、俺の事好き?」
「えっ。 ……え?」
「…アンタもあの女と同じなの?」
「!?」
ど、……どちらの女性の話ですか……!?
脈絡のない質問に困惑する。ええっと…神威さん、原作で女性キャラと絡みあったっけ、と記憶を漁るも恋愛とは程遠いキャラである神威さんにそんな人はいなかったはず。
質問の意図がわからず、考え込んでいると私の胃に追い打ちをかけるように神威さんは口を開いた。
「まさか
あ、これ、流れ的に「嫌いなの?俺のこと」…こんな台詞が飛んでくるのでは。間違っても嫌いですなんて言ったら私の腰に回されてる腕に力が込められて折られるのでは…!?
「嫌いじゃないです!嫌じゃないです!!
わ、わーい!団長さん大好きです!」
「そうかそうか、それはよかった」
ふ、ふー…! 回避、回避に成功しました店長!!
私の答えに満足してくださったようで、神威さんの取り巻く空気がちょっとだけ柔らかくなった気がする。
「お前たちもそんなゲームばっかりやってないで早く現実の女落としなよ」
ゲーム? 私が来る前にどんなお話をされて…、いやいや。そんなことより神威さん、ち、ち、近………!
ぎゅう、と。周りに見せつけるように神威さんは私を後ろから抱き締めてきた。背中から伝わってくる体温に恥ずかしさが込み上げてくる。
は、離れたい。でも、無理に抜け出そうとして機嫌を損ねれば、私の体があの機械みたいにバラバラになる危険が…!
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時