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まだ短い付き合いではあるものの、最近一つ発見したことがある。神威さんは何か頼みごと…小さい子で言うところの "おねだり" をする時 私の名前を呼ぶ。

「A」

……こんな風に。

「全部買ってきて」

「ゼンブハモテマセン」

「往復すればいけるいける。ほら、いってらっしゃ〜い」

今回のおねだりの内容は、ご飯の買い出し。
行く先々に美味しそうな香りを撒き散らすお店が多かったから、どうか神威さんの目につきませんようにと祈ったものは虚しく散っていった。


「お、お待たせしました…」

「遅かったね。もう食べきっちゃったよ、次あれ」

もう何往復したのかもわからない。早く戻りたいのに、ベンチに腰掛ける神威さんから、胃袋が満たされるまで動かない頑なな意思を感じる。

「お兄さん一人〜?
これから私達とイイとこ行かない?」

へとへとになりながらベンチへ戻ると神威さんがこの星の住人に絡まれていた。顔の作りは違えどイケメンという認識はどの星も同じなようで、めちゃくちゃチヤホヤされている。

漫画でしか見たことのない光景。そのど真ん中に飛び込めば「何この女」と、冷ややかな目攻撃は避けられない。
目は口ほどに物を言う。私の胃が耐え切れるか際どい。
私が出しゃばらなくとも神威さんなら何とかなるかな。
経験豊富そうだし、と眺めていたら目が合ってしまった。

にっこり微笑みながら立ち上がる神威さんに、私の脳が逃げろとサイレンを鳴らしている。

「悪いね、連れがいるんだ」

「や、そのセリフ絶対聞こえてないですよ…!」

お姉さんたちは向こうです、向こう!
逃げの呼吸!と某鬼を狩る漫画の真似をして架空の技名を叫びながら走り出すも逃げ切ることはできず、猫を捕まえるように首根っこを引っ掴まれ上に引き上げられた。

「さて、帰ろうか」

「あ。 さっき買ってきたものどうしましょう。
夕飯と一緒にお出ししますか?」

「食べさせてよ、両手塞がってるんだ」

神威さんは、私を解放すると両手に傘と荷物を握った。
い…意地が悪い…。さっきみたいに傘を肩に傾けて持てばいいのではとやんわ〜り伝えるもまたずり落ちたら大変だからと言われてしまった。

口を開けてご飯の催促をしてくる神威さんの口元へ追加で買ってきたこの星の名産品を運ぶ。
もぐもぐ、口を動かす姿はハムスターのようで不覚にも胸がきゅんと高鳴る。悪役でなれけば是非お近づきになりたかったです、神威さん。




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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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