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「……だ、誰もこない…!」
体感的に一時間は経っている。そろり、また外を覗き見るも相変わらず人影は無く静かな通路だけが広がるばかり。
… 勝手に出歩いて大丈夫な気がしないけど、これ直に呼びに行かなきゃいけないパターンのやつでは。
誰かに出会った瞬間、ぬ!不審者!殺せ!オラオラ!!ってなりそう。今回の件、団員全員に伝わってるのか確認しておけばよかった…!夜兎族怖い…!
でも、神楽ちゃんは可愛い。地球に行って神楽ちゃんに会いたいなぁ…神威さん怖いもんなぁ……!
……よ、よーし。悩んでたけど、探しにいこう。
早くカレー食べてもらってお店に帰してもらおう。それでまた働いてお金を貯めて地球に行く!もうひと踏ん張り!
でもやっぱり怖いから護身用に
「あっ、ああ阿伏兎さぁーん…」
調理場を出てから適当に彷徨い歩く。時折阿伏兎さんの名前を呼ぶも今の所返事は無い。もしかして、艦にいないとかそういうオチはないですよね…!
そんな不安を抱いていたら後ろから肩をぽん、と叩かれた。
「っんぶ!」
心臓が口から飛びでたんじゃ、と思うくらいビックリして勢い良く壁に頭をぶつけてしまった。蹲りながらぶつけた箇所をおさえる。こ、コブできてる…
「ありゃりゃ、大丈夫?」
「!えっ、あっ、」
「頭ぶつけてオカシクなっちゃった?」
「だ、大丈夫です…」
「そ?」
絶賛会いたくない人ナンバーツー、神威さんとのまさかの遭遇に言葉を詰まらせてしまった。因みにナンバーワンは私を襲ってくる(と勝手に思ってる)顔も知らない団員さんです。
「…どうしてこちらに?」
「俺の艦に俺がいてもおかしくはないだろ?寧ろアンタがいる方が不思議だよ。それもこんな夜更けに」
「ごもっともです…!すみません!」
行け私土下座して私!
蹲ったままの体勢で土下座をしようと床に手を付けば、何故か神威さんも床にしゃがみ込んだ。え?二人して土下座し合うの?え?神威さんどうしたんですか?
「ん〜?」
くんくん。突然顔を近付けてくる神威さんに後退りする。顔の整ってる人が急接近してくると心臓に悪い…!
「におうね」
「……!に、にお……!」
イケメンに臭うと言われて立ち直れる女子がいるでしょうか?私はショックで倒れそうです。毎日お風呂も洗濯もしてるのに、と涙目で自分の臭いを嗅ぐ。…わ、わからない。
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時