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「あっ、そういえば…店長聞いてくださいっ
じゃじゃーん! ついに免許とれたんです!」
昨日とったばかりの小型宇宙船の免許証を取り出して見せれば、店長はにっこり微笑んでくれた。
「おお! ついに!」
「はい! ついに!」
「これでAちゃんも出前デビューだねぇ。ほんと助かるよ」
「がんばりますね!」
そう、この免許証さえあれば出前に行くことができる。
従業員数名の小規模店舗のうちで接客しか出来なかった私が遂に出前まで行けてしまう!私、とってもえらい…!これで他の従業員にも引けを取らない。
あ。ち、地球には帰る気ありますからね。
あのその 帰るには大きな宇宙船乗るしか無いのでたんまりお金が必要でお給料あげてもらう為にも免許証を……免許証代も結構しましたが!はっはっは!……ハァ…
──プルルルルルル!
「あ、電話…」
「わたしがでるからAちゃんは食べてなさい」
「すみません、お言葉に甘えていただいちゃいます…!」
肉じゃがを頬張ると自然と笑みがこぼれ落ちた。
めちゃくちゃ美味しい!箸を休めることなく食べ進めていると電話を終えた店長がいつの間にかキッチンに立っていた。
「出前入ったんですか?」
「そうなんだよー。休憩って言ったんだけどね、どうしてもって頼まれて」
「あー…たまにそういうお客さんいますよねぇ」
地球でバイトをしていた頃も無茶を通すお客がいたものだ。万国…否、星々共通なのかもしれない。
店長が注文の品を作っている間に食べ終わった食器を流しへ持っていくと、丁度出来上がった大量の料理を大皿に盛り付けていた。
「わ、こんなにたくさん…パーティーでも開くんですかね」
「わたしも間違いかと思って聞き直しちゃったよ」
「ですよねぇ…」
届けるのも一苦労な料理の量に度肝を抜かれる。 うーん、小型宇宙船に荷台付ければなんとかなりそうかな。
「店長、私が届けに行ってもいいですか?」
「初めてでこの量は大変じゃないかい?」
「でも、もうすぐ午後開店の時間ですし、店長がいないとお店回らないので。それに先輩も午後から出勤なのでフロアは大丈夫だと思います」
「うーむ…じゃあ頼んじゃおうかな」
「はい! 任せて下さいっ」
ご飯が冷めないうちに届けないと! ガッツポーズをとり意欲を高める。
店長から届け先の宇宙座標メモを受け取り店の裏に停めてある出前用の小型宇宙船に乗り込む。
予め付けた荷台に詰め込んだ料理達に気を配りながらアクセルを踏んだ。 よし!しゅっぱーつ!
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時