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「そりゃァ…団長の案が通ったと聞いちゃなァ」

「団長さんの案?」

「なんだ、聞かされずにヤられたのか」

「ちょっと待って下さい、発音おかしいです…!」

聞き間違えじゃなければ、致した的な発音だった。
私の知らないところで恐ろしい話が進行していたみたいで、聞くのが怖くなってくる。

「ま、もう隠す必要もねェか」

阿伏兎さんが語った神威さんの案は、普通の人なら行動に移さないだろうとんでも計画であった。思い付きはしても常識があれば思い留まるその内容は、お見合いの前に私と "既成事実" を作り、縁談の話しを無かったことにするというものだったらしい。

そう、私とである。
私と神威さんが既成事実を作り上げる。
そんな案を先に聞かされていた阿伏兎さんは後々面倒事になるとわかっていたようで、他に手はないかと断る手段を考えてくれていたそうだ。
私の為に頑張ってくれていた阿伏兎さんに、呑気に諦めを提案した過去の私をお説教したい。

……というか、神威さんほんとあの、人の人生なんだと思ってるんですか。 乙女の初めてをなんだと思ってるんですかあの人! そろそろ匿名で星海坊主さんに苦情のお手紙書いた方がいいのかも知れない。


「団長さんそんなこと考えてたんですか…!? 致してませんからね!私と団長さん!致してませんからね!」

「あァ、その反応みりゃわかるさ」

「はっ!も、もし今日あのタイミングで提督の娘さんがいらっしゃらなかったら私危なかったってことですよね…」

「………」

「………」

「面倒が起きなくて何よりだ」

「そうですね…」

神威さんに襲われたら力の差がありすぎて逃げられなかっただろうなぁ、と身震いする。

…想像しただけでお腹が痛い。
部屋に戻ったら胃薬を飲もうとお腹を擦っていると、阿伏兎さんから錠剤の入った小瓶を手渡された。

「お互い苦労するな」

阿伏兎さんも胃薬常備してるんですね。お揃いですね、私達。
顔色の優れない阿伏兎さんとダメージを負った自分のお腹に、今夜は胃に優しいものを作ることを決めた。

特別メニューはどんなものにしよう。
うどんよりお粥のほうが消化に良さそうかな。

夕飯時 調理担当の人の意見も取り入れてたまご粥を作るも匂いを嗅ぎ付けてきた神威さんに鍋ごと食べ尽くされてしまった。最後の一口をすくい取られたとき「まだ一口も食べてないのに…」と悲しみを零せば、神威さんの中に残る微かな良心が働き、半ば無理矢理お粥を乗せたスプーンを口に突っ込まれた。

そうだけど、そうじゃないんです…!神威さん…!




少女とくすぐり兎→←▼



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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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