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「何処行くのさ」
首根っこを掴まれ、グエっと蛙のような声が喉奥から飛び出した。
「い、医務室に行こうかなぁと…！ああーっ、こ、こ、これはー！ 不治の病！お家帰りたい病…！悪化したみたいです、アイタタタ！！」
お腹を押さえつつ、ニコニコ笑みを絶やさない神威さんに、ぎこちない笑みを返せば「はいはい。いつものやつね」とあしらわれてしまった。
「そんなに帰りたいの？」
「えっ。…はっはい！」
帰れるのであれば今すぐにでも…！
こんな危険な人達がいる所にいたら何かの拍子に首がポーンする。サッカーボールみたいに。
おっ、あいつの首もげたわ。サッカーしようぜ！なんて、少年達がこよなく愛する週刊誌にR指定がついて永遠にジャン●から永久追放された作品と語り継がれる未来が見える。
「帰りたいってあの店に？ それともアンタの故郷？」
思わぬ問に瞬きを繰り返す。
帰りたいと思う場所は元の世界だけど、正直に答えても事情を知らない人からすれば、こいつ頭大丈夫か？と疑われるのはわかりきっている。
「……」
ふと、お母さんたちの姿が頭に浮かんだ。
元気でやってるかな。きっと、突然いなくなってビックリしてる。家出扱いとかされちゃってるのかなぁ、と色々考えてしまえば、寂しさが一気に込み上げてくる。
一点を見つめたまま感傷に浸っていると背中をポンポン、と弱い力で叩かれた。
「こうすると少しは落ち着くだろ」
力を加減しながら子供をあやすような手つき。
…これはもしや励ましてくれている？
「…団長さん、」
その気遣いを帰す為に使ってください。
帰す気は更々ねえからな。キビキビ働けと、そんな副音声がTVだったら流れていそうなそれに胃が悲鳴を上げた。労るようにお腹を撫でる。痛みを和らげる為にやったその行動に次は腱鞘炎の手が辛いと泣き出した。
「爺さんから聞いたけど、手 痛むんだって？」
神威さんは、僅かに庇う動きを取った手を見逃すことなく、思い出したとばかりの口調でそう言うと自分の手首をぶらぶらと揺らした。
「義手にすれば今より頑丈になるかもね」
「いいいけます！ うちの
「腕の良い技師がい、」
「早速何か作ってきます！ お疲れ様でした！」
もがれる、腕ごともがれてしまう……！！
頭を下げてダッシュで調理場へ走り出す。 先程と違って神威さんが私を捕まえることはしなかった。
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…！！勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです！(∩´∀`)∩！ (2019年10月12日 12時) (
レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» ！！！ お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…！ありがとうございます！5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します！L(´ω`)」！ (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいも | 作成日時：2019年4月5日 21時
