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お皿を洗っていると、背中に視線が突き刺さり、水道の蛇口を閉めてから手を止める。 ゆっくり、振り向くと机に頬杖をついた神威さんと目が合った。
そんなに見られると胃が、私の胃が持たないです…!
もしやモニターを壊したことを勘づかれたのではとヒヤリとする。 そんな心配をしていると神威さんの唇が弧を描くように動いた。
「美味しかったからまた作ってよ」
「えっ」
「嫌?」
「トンデモゴザイマセン」
ハハハ、と愛想笑いを浮かべる。私 日本人でよかった。
もしハキハキ系外国人だったらNO!貴方のご飯なんて二度と作らないわ!さようならジョバンニ!!パシーン!と断ってバッドエンド直行だった。
お母さん私を日本人に産んでくれてありがとう早くお家に帰りたいです。
───…
「おいおい、仕事押し付けていなくなったと思ったらこんなトコでサボってたのか。このすっとこどっこい」
後片付けを済ませ、神威さんとの無言タイムをどう過ごそうか思案していた矢先 阿伏兎さんがやってきた。
所々 肌にインクのようなシミがついている。事務仕事でもしていたのだろうか。お疲れ様です、の意味を込めて軽く頭を下げておいた。
「あり、もう終わったの?」
「どこぞの団長サマの分がまだたんまりありますよ」
「えー。早く片付けてきてよ」
「ハハハ。いやぁ、残念ですがこれから嬢ちゃんを送り届けねえといけないんでね。つーわけで、後は団長自分で片してくれ」
「代わりに俺が送、」
「阿伏兎さん! 早く帰りましょう!
早急に帰らないと私 あの、あれ、あれです。持病のお店大好きで腹痛起こしちゃうぞ病が!あいたたた!!」
頭を抑えながらお腹が痛いことをアピールすると「嬢ちゃんの腹は頭なのか?」と冷静な突っ込みをいただいた。
「じゃ、団長 留守は頼みましたよ」
私はそっと頭に添えていた手をお腹に当ててから、阿伏兎さんの言葉を聞くや否や 自分でも驚くくらいの速さで阿伏兎さんの腕を引いて扉を通り抜けた。
神威さんだけは勘弁して下さい会話もたないのでホント勘弁して下さい。
必死さが伝わったのか、阿伏兎さんは神威さんに譲ることなくコロッピー星に送り届けてくれた。
今度お礼にまた半額券あげますね!
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時