ショコラ

＊ ページ35

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「先輩、そろそろ機嫌直してよ」





先輩は自分が作ったものに相当ショックを受けたらしく、
プライドが高めなこともあって完全に落ち込んでる。

ソファー上で丸まる
こんなレアな姿はよほど見れないし
ちょっとだけ可愛いからいいんだけど、






「・・・美味かった？」



「···なんとも言えない、」



「殺すぞ」





キッチンでお皿を洗っている私に、
先輩はソファーの上で悪態をつきながら
ガチで殺られそうな目線で私を捉える。






「なぁ」


「····はい？」






“ちょっとこっち来い”


くいって手を曲げて私を呼ぶ仕草。
先輩は絶対。な私はすぐに泡を水で流して
ちょこちょこと先輩の元へ。






「上乗って」



「·····上？」



「ん」





言われた通りに
先輩の膝の上に乗っかると、
満足そうに微笑んでる。




「・・・先輩、どうしたの？」




いきなり呼び出すし
急に距離を縮めてくるし、
ちょっとだけ心配になるじゃん。




先輩の表情を伺うように下から覗き込もうとすると
さえぎるように包み込まれて
先輩の胸でいっぱいになる。




「······ちょっとだけ、」




こうやって先輩が少し弱くなる時は
寂しい時か嫉妬している時か
少し自信をなくして不安になった時。

私の首元に顔を埋めて
何気なくすりすりしてくるから
くすぐったくなって身体をよじると





「・・・ばかっ、その動きやめろっ！！」



「····え？だって先輩が、」





はぁ、ってため息をつくと
何やら難しそうな顔をして、
私の腰を掠る程度に触れた先輩の手。





「······ひゃっ、」





“····あっ、”と口を手で押さえた頃には、
先輩はもう犯罪者を見るかのような目付きで
私を捉えていた。





「お前、いくら敏感でもそれはダメだぞ？」



「せっ、先輩のせいでしょっ！？」



「もし他の奴に触られた時に
そんな声出たらどうすんだよっ！！
スイッチ入れたらお前食われるぞ！？」





以外にも先輩は嫉妬深い。
私が思っている以上に先輩は心配性。
いっつも優しくないし偉そうだし
本当に大っ嫌いだったけど、

実は先輩の行動は全て優しさの塊で
それも私を愛してくれているからのこと。







「·····お前、そう言うの俺の前だけにしとけよ？」


「はーい」


「軽いっ！！」





“先輩は彼氏”END？.*･ﾟ .ﾟ･*.

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